「うるま」という企業
日本と中国・台湾が尖閣諸島の領有権で争う結果になってしまった原因は、昭和42年(1967)から昭和43年(1968)にかけて国連アジア極東経済委員会が尖閣諸島が所在する東シナ海の海洋調査して、その海域の大陸棚に石油が埋蔵されいることを確認し、それを昭和44年(1969)に発表したことで、中国が「尖閣は我が領土」と言い出したことに端を発します。
(※、1994年に経済産業省石油審議会がはじき出した、尖閣を含む沖縄周辺の日本側の海底に眠る石油や天然ガスなどの資源量は、石油換算で約32.6億バレル)
当然日本でもその採掘のための調査が行われ、試掘権を申請していた企業が有ったのです。
それが大手商社の双日が約7割出資する「うるま資源開発(株)」です。(「双日」=総合商社大手のニチメンと日商岩井が合併してできた総合商社)
つまり「うるま」は尖閣諸島の沖合に眠る資源を真っ先に開発する権利「先願権」と「鉱業権」を持っている企業です。
ところが中国が領有権を主張したため危険水域と言うことになり、その申請は提出されたまま試掘権の認可は検討されず、40年近く棚晒しとなったままなんだそうです。
そんな状態ですから、すでに「うるま」という企業は名前だけの企業になってしまったそうですが、名目上ですが存在する企業ではあります。
ちなみに、もし許可がおりたとしてももう一度最初から調査を始めなくてはならず直ぐに採掘することは不可能だそうです。
「うるま」とは、沖縄の言葉で「珊瑚の島」という意味が有るそうですが、採掘権も資源も珊瑚のように‘お飾り物’になってしまいそうですが、今の現状では海底にそっとしておいた方が争いにならないかもしれません
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コメント
面倒なことはとりあえず先送りする日本の姿勢が、現在の現状を作り出しました。
先の大戦で迷惑をかけたとの思いがあるから?毅然たる態度をとれなかったのでしょうか。
投稿: もうぞう | 2012年9月28日 05:38
日本人は伝統的に争いを好まないと言えば聞こえはいいですが、事なかれ主義ですからね、結局。
権利は主張するだけじゃなくて行使しなければ意味無いんじゃないでしょうか。
自衛隊をちゃんと国軍にして更に強化しないと他国との対等な交渉なんてできないように思います。
以前にも書きましたが、尖閣は尖閣として、何故日本海のメタンハイドレートを実用化しないのか理解ができません。
投稿: がんさん@大和の国 | 2012年9月28日 07:53
もうぞうさんへ
「ほとぼりを覚ます」という言葉が日本には有りますが、これは「問題は時間が解決するだろう」という慣習の表れでしょう。それは国内だけに通用することであることを日本の政治家や官僚は知っていて、直さない体質が有ることが問題かもしれません
がんさんへ
地下資源は、まず民間の調査が先行し、その調査費用を見てからそのあとに国が認可事業と位置付けて追随するというのが、日本的なやりかたのようです。
つまり、どこかの企業が手を上げないと政府は動かないのかもしれません。
だから、外国に先を越されるんでしょうね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年9月28日 08:46