高速増殖炉「もんじゅ」と反原発運動
国内外に何かと波風を起こすので有名な石原慎太郎東京都知事が9月6日(金)に、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」を視察、その際にまたまた物議を醸しだす発言をしたようです。
- トラブル続きで2年間停止している‘高速増殖炉もんじゅ’について・・・
「(もんじゅは)画期的な技術で、廃炉なんてとんでもなく、絶対してはいけない」 - 多くの原子力発電所が再稼働していない状況について・・・
「(このまま稼働しないと)経済を疲弊させて、失業者を出し、社会の混乱につながると思う」 - 反原発運動について・・・
「今の原発の反対運動はナンセンスで、とても危ないと思う」
一見すると、今の日本や福島県などの状況を無視した発言のように見えるし、反原発運動を展開している人々には気持ちを逆なでる発言ですよね。
でも、冷静によ~く考えてみてください。違ったものが見えてきます
原子力発電の危険の根源は死をもたらす高放射性物質で、人工物質のプルトニウム、天然鉱物のウラニウム(ウラン)という核燃料にあることは誰もが知っていることです。
それを使用した発電施設や動力が事故を起こせばどんなことが起こるかも、昨年の大津波によって破壊された福島第一原発で我々は知ることになりました。
そしてもう一つ知ったことは、「使用済み核燃料も高熱を発し続けるため、使用前と同じ管理保管が必然」ということです。
そして、その使用済み燃料の処分法はたった二つだけしか考え出されていません。
一つは、深層地層に放射線が漏れないもので固めて埋めること。
そしてもう一つは、使用済み核燃料を再処理して高速増殖炉型発電所で再利用する「プルサーマル計画」だけなのです。
その二つの方法の内、最も実行するための研究の年数と予算をかけているのが「高速増殖炉もんじゅ」を使用した「プルサーマル計画」です。
高速増殖炉は未だにどこの国でも成功していません。そのためほとんどの国が断念した格好です。そこで日本が成功すれば、それは原発の廃炉を計画している国、劣化した核兵器を抱えている国、それぞれにとって地上最高の朗報となることは確かです。
日本にとっては、科学技術の素晴らしさをアピール、経済効果のすさまじさは計り知れないことです。
そして、もうすでに使用済み燃料仮処分場が満杯状態で戦々恐々の青森県六ヶ所村にも朗報の一つになります。
つまり、石原都知事に言わせれば「軽々に反原発をうたって‘もんじゅ’まで廃炉にしろ、までいうことは本当の廃炉のしかたを知らな過ぎる」ということなのでしょうね。
お隣の中国で起きている「反日運動・日本製品不買運動」において、その行動を映すカメラは日本製、デモ隊をネットで呼びかけるためのパソコンや携帯電話も日本製である矛盾したものですが、「反原発運動」もそれとよく似たところが多々あります。
そのことも石原都知事は「ナンセンス」と言っているのかもしれません
福島県人の私としても、石原氏の考えは理解できますし、それだけ、核というのは取り扱いが確立していない危険な代物だったことが、震災後の事故でやっと公になった証しなんだと思います。
一昨年の私のブログ「つぶやき古道」での関連記事です
https://iwasironokuni.cocolog-nifty.com/komiti/2010/08/mox-dd0c.html
震災前、こんな記事を書いていたんです
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コメント
難しすぎて分かりませんが、たしかになんでも原発反対とは思いません。
使用済み核燃料問題は深刻ですが、原発事故の起きる確率は、非常に低いです。
とくに日本海側はほぼ皆無と言って良いでしょう。
もちろん近い将来には、再生可能エネルギーに代わった方が良いことは言うまでもありませんけど。
投稿: もうぞう | 2012年9月11日 05:39
もうぞうさんへ
要するに、原発廃炉にする場合にその原発が発電する量と同じくらいの電力量がかかるということでしょか
投稿: 玉井人ひろた | 2012年9月11日 08:50
なんか、面白がってか利害が絡んでのことか知りませんが、煽動する人がいるんですよね。
一般人も踊らされないでエネルギーのこと(に限らず)は真面目に考えなくてはいけないと思います。
資源の無い国でどうするのか。
ある程度のリスクを背負わなければならない場面もあると思います。
それにしても、何故日本海側にあるメタンハイドレートを利用しようとしないのでしょう?
日本は一気に資源大国になるというのに。
投稿: がんさん@大和の国 | 2012年9月11日 10:26
がんさんへ
日本は最初の段取りに時間をかける国ですから、時間がかかっているようでまだ予算が組まれないようです。
投稿: 玉井人ひろた | 2012年9月11日 11:49
以前のページも拝見してきました。想定外・・・でも、人類が・・・イエ、何処の国でも、・・・使用済み核燃料も高熱を発し続けるため、使用前と同じ管理保管が必然・・・どうなるのでしょうか。
投稿: 山口ももり | 2012年9月12日 10:37
山口ももりさんへ
最初に始めるときは、使用済み核燃料の処理研究が追い付く予定だったようですがコスト問題などで途中中断したりしたようで、そのつけが今巡ってきたようです
投稿: 玉井人ひろた | 2012年9月12日 12:30