和がらし、洋がらし、からし・・・違いは?
母と叔母の話しからそれは始まります。ある料理を作るためのレシピを話していたのですが、そのポイントとなるのは「粉がらし」であるらしく、さらにその辛子は「洋がらし」であることが重要な味の決め手になるものだったのです。
ところが、叔母が言うには「村内のPLANT5でもスーパーでも‘洋がらし‘が無いので困った・・・」ということなのです。
「そんなはずは無い。‘PLANT5’にいっぱいあるよ」と私は叔母に言いながら帰宅、後日母も欲しいというのでPLANT5に買いに行きましたら・・・
なるほど「和がらし」と書かれたものはたくさん陳列されていましたが、「洋がらし」と表記された商品は全くありませんでした。
「和がらし」以外にあったのは・・・
←のような「からし」という表記のものです。
そして、これが探し求めていた‘洋がらし’なのです。
これでは、叔母が見つけられなかったのはしょうがない話です。「洋がらし」と書いていないのですから違うものと見てしまいます。
「いや!それは洋がらしとは違うんじゃないの?」と疑念を持った方のために言いますと、厳密に言うと「洋がらし」と「からし」は違います。
ということで「和がらし」と「洋がらし」と「からし」の違いを記載しましょうか)
<和からし>
- 材料 ⇒ アブラナ科の植物(からし菜)の種子、大きさは1ミリほどの小ささ。色は濃い目の黄色
英名はブラウンマスタードまたはオリエンタルマスタードと言われるもの。 - 特徴 ⇒ 成分であるアリル芥子油(アリルイソチオシアネート)は強烈な揮発性辛味があり、あの鼻にツーンと抜ける辛味が特徴。
<洋がらし>
- 材料 ⇒ アブラナ科の植物の種子、大きさは2ミリほど。白っぽい黄色
英名はイエローマスタード、和名では「白辛子」となる。
(ほとんどの製品には、さらに酸味料や香辛料などが加えられる) - 特徴 ⇒ ベンジル芥子油(パラハイドロキシベンジルイソチオシアネート)は揮発性の辛みは少なくてマイルドな辛さで、香りは和がらしより強目なのが特徴。
<からし>
- 材料 ⇒ 上記の和がらし、または洋がらしのどちらかを主体にして混合され、それに酸味料や香辛料などが加えられたもの
- 特徴 ⇒ 和洋どちらの料理にも使える程よい辛さと香りが有るのが特徴
お分かりのように、「からし」と「洋がらし」はよく似ています。というより、各メーカーはつい最近まで「からし」を「和がらし」と区別するためだけのために「洋がらし」と表記して販売していたのです。
それは、チューブ入りの辛子も同じでフォトのように「からし」と言う表記で「和」とも「洋」とも書いていないものしかありませんでした。
洋がらしと言えば「マスタード」として売られますが、日本人には辛味が少なく香辛料や和からしを添加して辛さをだしていたんですね。
ということで、最初のフォトの辛子の裏説です。
赤い文字で「マスタードを粉辛子にしました」と書かれてあるように、これは「粉洋がらし」と言うわけです
非常に紛らわしいですが、和からしは必ず「和辛子」と表記が有りますので、それ以外は「洋辛子」と思っていいようですね。
以前からチューブの「洋がらし」と「和がらし」の違いがよく解らなかった理由はこれだったんですね。
洋がらしには辛くないから香辛料や和がらしを加え、色もターメリック(うこん)を混ぜているから同じ色になる、これじゃ違いが出ませんよね。
「和風洋がらし」なら良かったんでしょうが、それではもっと紛らわしいので「からし」にしたのかもしれません
たぶん、そういうクレームが多くあっての「洋」の文字の削除になったのでしょう。
そう言えば、自民党も党名から「自由」の文字を取ると「民主党」になって紛らわしくなりますね)
関係ないか?
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コメント
なるほどね~
私も気にはなっていたんですが・・・
調べるまでもなく・・・
他にちょっとツブツブ感のあるタイプもありますよね。
これはどっち?それともまた違う種類なんでしょうか?
投稿: もうぞう | 2012年11月19日 18:16
もうぞうさんへ
つぶつぶのはマスタードで完全な洋がらしだそうです。
今は、洋がらし=マスタードと表すようです
投稿: 玉井人ひろた | 2012年11月19日 18:43