危険地帯=安全地帯
日本(主に福岡の博多湾)、台湾、朝鮮半島の越冬地を旅する水鳥のため「アジアンバード」という異名もある渡り鳥がいます。
その名を「クロツラヘラサギ(コウノトリ目 トキ科ヘラサギ属)」というんだそうです。コウノトリの仲間で、一見すると「トキ」にも似ていますが、くちばしが黒い色のへら状であることいでその違いが判別できるようです。
この渡り鳥、一時は絶滅寸前の280羽まで生息数が落ち込んだため1987年(昭和62)のときに開催された「第1回日朝渡り鳥保護シンポジウム」により絶滅から守るため、東京都小平市にある朝鮮大学校と東京都の多摩動物公園が共同で世界初の人工繁殖に取り組み始め、今では60羽が主に日本の動物園で飼育され、順調に子孫も増えているんだそうです。
それでも、世界に2千羽しかいない希少種であることは変わらない現状のようです。
ところが・・・
この鳥が朝鮮半島を南北に二分する北緯38度線を境に、北=2km、南=2kmの合計4キロメートルの地域に存在する非武装中立地帯で、その数が増えつつあるというのです
朝鮮半島南北では今でも国際法上では戦争中ですから、その地帯には一般人は皆無です。
そのために警戒心の強いクロツラヘラサギが「ここは人気が無く安全」となり、繁殖地になったようなのです。
このほど、北朝鮮調査団と韓国調査団が共同でその地帯に生息するクロツラヘラサギの調査を行ったそうなのです。
このことにより韓国などではこの鳥を「平和のシンボル」と言い始めているようですが、日本と北朝鮮も人工繁殖ということで協力し合っているわけですから、ある意味で「平和の梯」のような存在になっているのかもしれませんね。
意外と北朝鮮と日本は民間レベルでは交流があることを知り、驚きましたね
それと、人が危険だからと近づかないところは野生動物にとっては安全地帯になることが分かりました。
ということは、福島の原発事故地域にもこれから絶滅危惧種が増えるんでしょうか。そうなると実に皮肉な話しです
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コメント
なるほど、面白い話ですね。
いや説得力があります。
動植物にとって、やはり人間は脅威なんですね。
投稿: もうぞう | 2012年11月29日 (木曜日) 19:15
もうぞうさんへ
同じ意味でウクライナ(旧ソ連)にあるあの事故を起こしたチェルノブイリ原発付近は野生動植物が増え天国状態と言いますから、まんざら空想と限らない気がします
投稿: 玉井人ひろた | 2012年11月29日 (木曜日) 19:38
280羽というのは絶望的な数に思えますが、そこから巻き返すこともできるんですね。
世界から人類がいなくなればその他の生物は今より幸せに暮らせるのでしょうか?
投稿: がんさん@大和の国 | 2012年11月30日 (金曜日) 07:49
がんさんへ
>世界から人類がいなくなれば・・・
恐ろしい話ですが、そうなる可能性は有るでしょうね
)
投稿: 玉井人ひろた | 2012年11月30日 (金曜日) 08:23
「クロツラヘラサギ」にそのようないきさつがあるとは知りませんでした。鹿児島でも2~3箇所越冬地があるようです。足に目印がついたものもいます。姶良と国分の埋め立て地の調整池には50~60羽くらい飛来するようです。今日もついでがありますので、ちょこっと見てきます。
投稿: 鹿児島かっちゃん | 2012年11月30日 (金曜日) 15:38
鹿児島かっちゃんへ
飛来地が近くにあるんですね。やはり九州に多いようですね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年11月30日 (金曜日) 16:20