震災‘関連死’が1000人超えの福島県
「震災関連死」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
大震災によって起きた津波や家屋倒壊などで亡くなった人の場合を「震災直接死」と言います。
それに対し、津波などの災害から助かったものの、震災に伴って余儀なくされた避難のための移動や避難所生活で体調悪化と肉体・精神的疲労、病院の機能停止による既往症の悪化、そしてそれらのストレスや不安などでの自殺などで亡くなった場合を「震災関連死」と言います。
これは阪神淡路大震災や中越大地震の時にも、特に高齢者を中心に仮設住宅で亡くなることが続発し問題になりテレビなどでも取り上げられましたから、ご存知の方も多いはずです。
その「震災関連死」で、福島県人数が大変なことになってきているのです
新聞記事の切抜きフォトをクリックすると詳しく解りますが、原発問題が進まず避難生活も長期化し不安を募らせる避難者があまりにも多く、福島県の場合はもう少しで「直接死」に「関連死」が追いつきそうなのです。
今現在、福島県の災害での死者合計3004人、その内の40%にあたる‘1,184人’が「関連死」になっているのです。
その人数がどのくらい多いか宮城県と岩手県のと比較するとよく解ります。
- 福島県(合計= 3,004人)
直接死 ⇒ 1599人
関連死 ⇒ 1184人
- 宮城県(合計=10,384人)
直接死 ⇒ 9563人
関連死 ⇒ 821人
- 岩手県(合計= 5,009人)
直接死 ⇒ 4671人
関連死 ⇒ 338人
(※岩手と宮城の数字は2012年10月31日現在のもの)
一目瞭然だと思いますが、宮城県と岩手県の関連死の合計(1159人)より福島県のほうが多いのです。
最初の市町村別の内訳をクリックし拡大してよく見ればそこに驚きの数値が確認できるはずで、福島県の人数が多くなっている理由が解ると思います。
県内で津波による死者が最も多かったのは南相馬市(みなみそうまし)で500名を越していますが、同市は関連死者数も376人で最も多いのです。
次いで浪江町(なみえまち)209人、富岡町(とみおかまち)122人、いわき市も100人とおおいところが続きますが、表を見てもらいたいのは別にあります。
先に挙げた浪江町、富岡町、を含め広野町(ひろのまち)、楢葉町(ならはまち)、川内村(かわうちむら)、大熊町(おおくままち)、双葉町(ふたばまち)、葛尾村(かつらおむら)、のところの関連死の人数を見てください。直接死よりはるかに多いのです。
その地域は皆原発事故の避難区域が占めています。これが意味するものがどういうことかはわかると思います。他の県との避難理由の根本が違うからです。
新設された復興庁は10月末に県と合同で関連死の検証・対策チームを発足させる考えを示したそうですが、「死者の詳細なデータを収集し分析している」と言う発表だけに留まり未だに具体的な対策は行っていません
だからと言って同庁の職員を一方的に攻めるわけにはいきません。あんな少ない人数で、福島県の避難者総数約159,000人(県内=100,000人、県外=59,000人)の調査など不可能ですし、前にもあげた大震災の自民党政権時にもやはり具体的な対策はほとんど行われなかったはずです。
ましてや今回は未経験の原発事故ですから、対策もまだまだ時間がかかるのでしょう
今回の候補者にも見当たらないですが、強いリーダーが欲しいです。
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コメント
認識不足でした。こんなに関連死が多いとは・・・
対策が急がれますね。
投稿: もうぞう | 2012年12月 8日 (土曜日) 19:22
もうぞうさんへ
今選挙に血眼になっている方々も、これを認識している人は与党の担当閣僚クラスくらいしかいないと思いますよ
投稿: 玉井人ひろた | 2012年12月 8日 (土曜日) 21:54
本当に大変なことです。政治がしっかりしてくれなくては・・・ところが誰を選んだらよいのかわからないのです。
投稿: 山口ももり | 2012年12月10日 (月曜日) 11:09
山口ももりさんへ
いっそのこと「この人はふさわしくない」という投票の仕方で選挙をやってもらうと、やりやすいかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2012年12月10日 (月曜日) 12:23