環境省への疑問・その2⇒「0.23 マイクロシーベルト」
昨日の「環境省への疑問・その1」でも、最初に書きましたが、環境省の目標としている環境放射線量(地面から1mの高さでの測定)は「1時間当たり0.23マイクロシーベルト(=0.00023ミリシーベルト)」と定めています。
そして、1年間積算した外部被曝量については「1ミリシーベルト(=1000マクロシーベルト)」という数値を目標にし、除染作業を進めることを各行政に伝えています。
我が村でも、その指針に沿って0.23μSv/hに放射線量を下げるため宅地の除染作業を業者に委託して行っていまして、現在約40%ほどが終了しました。のこりの住宅も予定では年内に終わらせたいようです。
我が村では計算上の関係で年間積算量は約1.2mSv/yと説明がなされていますが、いずれの数値も根拠となっているのは文部科学省が割り出した数値になっていますが、ここでこの数値に疑問が有るのです。
上記の数値を「1日=24時間」と「1年=365日」という数字で計算してみてください。そうすると、私の疑問が判ります。
0.23(μSv/h) × 24(時間) × 365(日) ≒ 2ミリシーベルト(2015μSv)1年?
↑のように、どうやっても国が言う年間積算量の「約1ミリシーベルト」にも、我が村が言う年間積算量「1.2ミリシーベルト」の、どちらにもならないでオーバーしてしまいます。
そしたら、文科省の計算はそんな単純なもので年間積算量を出していたわけじゃなかったのです。
<0.23マイクロシーベルト/毎時・・・とは>
- 原発事故前の日本に存在する自然放射線量=0.04μSv/h
- 原発事故後に放出された放射線の追加被曝=0.19μSv/h
- ↑の1と2の合計線量が「0.23マイクロシーベルト/毎時」になる
<1日(=24時間)の考え方(計算法)>
- 24時間内で完全に屋外にいる時間= 8 時間
- 24時間内で屋内にいる場合の時間=16 時間だが、
屋内は屋外にくらべ被曝割合が0.4倍に低減するので「16時間×0.4(40%)」の計算法により「屋内=6.4」とした - ↑の1と2の計算法の合計14.4を1日の時間として換算する
つまり、国の年間積算被曝量=1ミリシーベルト・・計算とは、もともと存在する線量の0.04を抜いた数値「0.19」に「14.4 × 365」をかけたものであるから計算はこうなります。
{(0.23-0.04)×14.4×365≒1000μ(1ミリシーベルト)}
そして、わが村の年間積算被曝量=1.2ミリシーベルト・・計算とは、自然放射線量も含めた数値の0.23をそのまま使用したものであるため計算上{0.23×14.4×365≒1200μ(1.2ミリシーベルト)}、だから「1.2ミリシーベルト」になってしまったため国とは違うように見えますが、全く同じだということが判りました。
「24時間」で計算していました震災後の原発事故後に、長崎大学のリスクアドバイザーの教授が「服も着ない素っ裸の姿で24時間・365日も屋外に居る人はいないでしょ」と言っていたことを思い出しました。
やっと、1日を「14.4時間」と計算していたことと、その理由も判りました。
ちなみに、地球上の自然放射線量の世界平均は約 2.4ミリシーベルトですことは、一昨年にも記載しました。
今回は、日本より高い自然放射線量であるところを記載しておきましょう。( )内は最大値です。
- ラムサール(イラン)=20.2mSv(26.0)、
- ガラパリ(ブラジル)= 5.5mSv(35.0)、
- ケララ(インド) = 3.8mSv(35.0)、
- 陽江(中国) = 3.5mSv(5.4)、
- 香港(中国) = 0.67mSv(1.0)、
※日本=0.43mSv(1.26)
日本から考えると、凄い数値のところが有るものです。
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コメント
ややこしいですね。
問題は安全かそうでないか。
私なら責任あるその判断だけ聞きたいところですね。
投稿: がんさん@大和の国 | 2013年1月23日 08:55
がんさんへ
私も同感ですが、単に「安全だ」というと「具体的な数値で示せ!」と、言ってくる人が多数であることも事実です
投稿: 玉井人ひろた | 2013年1月23日 22:42