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2013年5月21日 (火曜日)

何年か後には‘笑い話’になるのだろうが

あの原発事故以来、福島県内では放射能除去に役立つもの、例えばナノ純銀粒子といった新手の除染方法を提唱する者が現れるなど、多種多様の情報が蔓延して人々を惑わしているのが実情です。

ただ、2年も経つとその中の嘘のものも明らかになってきています。

ところが、人とは悲しいかな最初に信じたものを絶対と思ってしまう人も多いのです。そういう人が組織的に動くと、さらに信じてしまう人々が増えていくのです。

福島県内には震災前から、「EM(有用性微生物群)液」を使った「河川汚染防止活動」とか「有機農業促進活動」をする組織や団体が存在していました。

 <EMとは>

  • Effective(有用)Microorganisms(微生物群)の略語で、"共存共栄する有用な微生物の集まり"という意味
  • 自然界に生息分布している微生物の中から(米のとぎ汁など)、浄化する働きや物質の生合成を行う働きを持つ有用な微生物を培養させた液
  • 土が生き生きし、農薬や化学肥料を使わなくても作物が豊かに実るようになる
  • 抗酸化力が強いので、ものが腐ったり病気になったり するのを防ぐ
  • 汚染物質を分解する力があるので、 汚れた川などを浄化したり環境問題の解決に役立つ

その「EM」が原発事故後、“EMには除染効果がある”ということが言われ出して震災前より福島県内のEM活用団体数が倍増しているというのです。

具体的なそのEM団体が唱える効果とは次のようなものです

  • 福島県農林水産部が行った実証実験の結果を基に、“EMで作った堆肥を使用すれば、土壌内の放射性物質が農作物へと移行することを防ぐ効果がある
    そして“EMが放射性物資の放射能を消去する”

しかし・・・
 データを検証すると、‘作物への放射性セシウムの移行防止効果はEM堆肥に含まれる交換性カリウムによるもので、EMの中の微生物による特殊効果によるものではない’と言うことのようです。

2008年にアップしたEM菌についての記事↓
https://iwasironokuni.cocolog-nifty.com/komiti/2008/03/em_9f9b_1.html
ここでも、書いていますがEMには疑問な点が以前から多く、その割には市町村にはこれを支援する団体が未だに活動を展開しています。

溺れる者は藁をもつかむ、心境は解りますが、専門家が半世紀以上も研究しても放射能の実態がいまだに解明されないのに、安易に信じるのはいかがなものでしょうか?

ただ「信じる者は救われる」の考えも有りますし、頭から反論出来ないのも正直な気持ちです。

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コメント

肥沃な土壌で栽培した方が、農作物は美味しく立派に出来る。

いやいや、むしろやせた土壌で最低限の肥料や水で育てた方が、立派ではないが、美味しい作物が出来るんです。

みたいな?

投稿: もうぞう | 2013年5月22日 (水曜日) 19:43

もうぞうさんへ

植物と言うのは、極端な偏食生物です。それを人間が人工的に万能とかいう肥料を与えてしまうために、食べ過ぎ状態が今の現状です。
食べていますから見た目はいいですが、栄養分は少なくなります。
植物も大変です

投稿: 玉井人ひろた | 2013年5月22日 (水曜日) 20:07

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