ふくしまの被曝問題はもう解決・終了?
今回の東日本大震災による大津波によって引き起こされた東京電力福島第一原発事故、その時の事故によって原子炉から飛び散った放射性物質による被曝での人体へのリスク問題は、未だに国内での専門家の意見ははっきりした結論が出されていない・・わけではないですが、政府の言葉はどうもはっきりしていない気がします。
こういう時日本人はなぜか外国の言葉を信じようとする傾向が強い方々が多い気がします。国民性なんでしょうかね?
さて、現在国際的には今回の原発事故での放射線の影響に関し、世界中の専門家で討議検討をする委員会が存在しています。その組織の名は「UNSCEAR」=「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」というものです。
各国の放射線医学の専門家ら約90人が参加したその委員会にて先月の5月27日に福島第一原発事故に関する評価が出たらしいのです。
その評価の内容は「1979年(昭和54)に起きた米スリーマイル島の原発事故と比べると“かなり深刻な事故”ではある」という指摘がなされましたが、おおよそ次のようなもののようです。
- 福島第一原発事故によって大気へ放出された放射性物質の量は、‘ヨウ素131’がチェルノブイリ事故の3分の1未満、セシウム137が同4分の1未満と推計された
- 福島第一原発事故後1年間に(当時)1歳児が甲状腺に受けた被曝線量は、福島県内の避難区域外では1人あたり33~66ミリ・シーベルト、区域内では20~82ミリ・シーベルト。大人は区域外で8~24ミリ・シーベルトとなった
- 上記数値は、甲状腺がん発生のリスクが上がるとされる100ミリ・シーベルトより少なく、チェルノブイリ事故の一般的な避難者の最大値5000ミリ・シーベルトを大きく下回った。
- 福島県民の甲状腺の最大被曝線量は、1986年(昭和61)に起きたチェルノブイリ原発事故の60分の1以下で、現在見つかっている甲状腺がんの患者数は被曝とは無関係に発生する割合の範ちゅうである。
報告書案では、日本政府の指示で行われた避難によって「最大で500ミリ・シーベルトの被曝を避けることができたことで、被曝線量がチェルノブイリより低くなった」と言う説明も有るようです。
この報告書は9月の国連総会に提出されるようですが、この内容を見ると福島県の被曝リスクなどについて国際的にはもう結論が出て終了してしまったかのように見えます。
当事者である福島県民には‘世界各国の放射線医学の専門家ら約90人が集まって評価した’にしては、なんとも釈然としない報告書だという思いですね。
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コメント
闘病生活のなかで学んだ事のひとつに「誰よりも当事者が一番詳しい」と言うことがあります。お医者さんは勿論、専門家ですからよくわかりますが、所詮は他人の痛みを推測する域に過ぎません!
福島の人たちはもっと諦めずに声を挙げ続けるべきです。決して忘れることなく、他人事ではなく自分たちの事なのだと強く認識すべきと思います
投稿: 空 | 2013年6月11日 (火曜日) 06:04
空さんへ
しっかりと地元からの情報を発信していくのが大事だと思います。
いかんせん、東京に有る全国放送と言われるメディアにはその情報を歪曲・抽象化する傾向が強く、とても腹が立ちます
投稿: 玉井人ひろた | 2013年6月11日 (火曜日) 16:14