たった‘57’票差の当落
昨日は参議院通常選挙で、仕方ないことですが選挙の報道はおのずとそればかりになりましたね。
同じ日、震災後の原発事故のため全町民が避難させられた福島県の富岡町(とみおかまち)では16年ぶりの町長選挙(8月5日任期満了)が行われていました。
立候補者は平成9年(1997)の町長選で初当選し4期16年目になり、現在は県原子力発電所所在町協議会長、双葉地方水道企業団企業長などをも務めている現職の遠藤勝也氏(73)と、同町議会議長を務める新人の宮本皓一氏(66)の二人、つまり一騎打ちの選挙戦でした。
<結果>
宮本皓一(新)= 3,916票(当)
遠藤勝也(現)= 3,859票
無効票 = 134票計、7,909票(有権者数=11,631人)
投票率 = 68.0%
上記のように、たった「57票」という微差で、新人の宮本皓一氏が現職の遠藤勝也氏を破るということになりました。
現在、富岡町は県外に避難した町民も沢山いますが、主に町役場が有る郡山市、そして私が住む大玉村、いわき市の仮設住宅に役場の支所を置き町機能を維持しています。その中での選挙運動と選挙は困難が沢山あったと思います。
その困難さが投票率に表れている気がします。震災直後から苦労した対応をしていた現職の遠藤氏は我が村でもおなじみでしたが、このたった57票差でも落選した結果は、町民の未だに避難生活からの進展も未来も分からないという、言い知れない行政への不満の表れでしょう。
わが村も現職の浅和定次村長(5期20年目)が任期満了を機に次の選挙に出馬しないことを表明したため来月(8月4日)には新たな村長が誕生します。原発事故前まではあれだけ現職続行に固執し意欲的だった村長も、やはり疲れたのでしょう。
同じように、頑張りましたが遠藤町長にも少し休養が必要という、天命でしょう。
新人の町長もこれから未知の戦いが始まります。国会議員より大変だろうなぁ、と思います
※、参考までに富岡町の人口推移を記載しておきます。
- 平成23年3月の人口 = 15,830人(震災直前)
- 東日本大震災の死者 = 170人
- 原発事故による避難者= 15,660人(死者170人を引いた数)
- 震災後の関連死者数 = 160人
- 平成25年3月の人口 = 14,428人(-1402)
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コメント
これくらいの差ですと、疑問票が問題になるときがあります。
今回はなかったのでしょうか?
投稿: もうぞう | 2013年7月23日 20:00
もうぞうさんへ
全く無かったようです
投稿: 玉井人ひろた | 2013年7月24日 07:10