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2013年8月29日 (木曜日)

鉄腕アトム⇒エイトマン⇒ドラえもん⇒あられちゃん

  • 鉄腕アトム>原作=手塚治虫
    昭和26年(1951)連載開始の「アトム大使」
    昭和38年(1963)初のテレビアニメて放送開始「鉄腕アトム」(日テレ)
     動力=内臓の小型原子炉
  • 8マン(エイトマン)>原作=平井和正(SF作家)、作画=桑田次郎(二郎)
    昭和38年(1963)連載開始
    昭和39年(1964)テレビアニメ放送開始
    動力=内臓の小型原子炉
  • 鉄人28号>原作=横山光輝
    昭和30年(1955)連載とテレビアニメが同時開始
    動力=太陽エネルギー・太陽爆弾バギューム

※、昭和30年(1955)“原子力発電の父”と言われる正力松太郎氏が中心となり改進党(中曽根康弘)の立法案で、民主党(鳩山一郎)、日本自由党(吉田茂)の当時連立を組んでいた与党3党による強行採決で「原子力基本法」が成立。

  • ドラえもん>原作=藤子・F・不二雄
    昭和44年(1969)連載開始
    昭和48年(1973)テレビ放送開始
    動力=内臓の小型原子炉人と同じ食物を体内で核エネルーギー物質に変化
  • あられちゃん>原作=鳥山 明
    昭和56年(1980)連載開始
    平成 7年(1997)テレビアニメ放送開始
    エネルギー=海水から作られる液体「ロボビタンA

私の年代には懐かしいヒーローから、現代も読まれている漫画の主人公をタイトルにして、古い順に、そしてちょっと違う形の紹介一覧にしてみましたが、何を言わんとしているかお判りでしょうか?判りますよね。

これらヒーローたちの‘動力源’を紹介したかったのです。

原子力基本法が強行採決された昭和30年以前のはプルトニウムを髣髴させる核エネルギーになっています。

その証拠に、手塚治虫氏は鉄腕アトムの一場面で製造者であり科学技術庁長官でもある「お茶の水博士」に、アトムが故障したときに次のような言葉を本の中で叫ばせています。

壊れたアトムに近づこうとした同級生に対し・・・
お茶の水博士・「(アトムにさわると放射能で死ぬぞっ
 見ろ あれを いまアトムのからだは原爆と同じようなもんじゃ

明確に核エネルギーへの危険性を表しています。そして同時期の昭和29年(1954)に福島県が誇る特撮の神様と言われる円谷英二監督が世に出した「ゴジラ」も「核実験反対」の映画でした。

ところが、昭和30年以降から少しづつ変化がでてきます。

同じ核エネルギーでも、ドラえもんのように放射性物質を使用しない物が使用できるまだ見ぬ平和な未来を想像させるものになっていきます。
これは、裏を返せば原子力発電いかに危険な欠点が有るかを指摘したメッセージが入っていたのかもしれません。

私がもっと興味を抱いたのは、「鉄人28号」と「あられちゃん」の意外な共通性です。

原子力と言うのは「核分裂」の時に起こる莫大な熱エネルギーを利用した発電方式ですが、太陽の核エネルギーはその逆の方式で「核融合」によるものです。

その実験施設で世界最大のはサンフランシスコの近くにあるカリフォルニア州のリバモアに有るNIF(National Ignition Facility)という施設です。

NIFは本来、アメリカの核兵器の安全性を評価するために作られたものでしたが、現在は核融合エネルギーの技術を利用したレーザー兵器の研究所になっていて、その莫大な破壊力を持つレーザー光線という名の新たな核兵器の実験が今年成功しています。

この核融合エネルギーが「鉄人28号」の太陽爆弾であろうと考えられるし、核融合は海水などに多く含まれる水素を利用したものですが「あられちゃん」の海水から作られる「ロボビタンA」はまさに核融合炉のそれと偶然ですが同じですよね。
たぶん、ドラえもんのも核融合炉の理論が基になっていると思われます

私は中学生のころ科学の先生の授業で「核融合炉が完成すると今稼働している原発と違って熱も出ないし、はもっと安全な原発になる」という話を聞かされたことが有りました。

今考えるとすでに先生方は原発の危険性を教えていたのかもしれませんが、社会的にはそれをうやむやにする背景や圧力があったのでしょうね。

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コメント

驚きました!
うやむやにして自分たちの勢力をのみ強大化しようと言う輩は何の世界にも居ますけどね…(-.-;)

投稿: | 2013年8月29日 (木曜日) 21:05

空さんへ

今政権を取り戻した自由民主党が推進した原子力発電には、その当時からたいへんな政治的工作が行われたことを最近知りました。
その自民党政権がどんな始末をするのか注視しましょう。

国民も福島県民も自民党を選んだのですからね

投稿: 玉井人ひろた | 2013年8月29日 (木曜日) 22:07

マンガと原子力の関係とは、まったく考えもしませんでした。
アトムは原子の子として有名でしたけどね。

投稿: もうぞう | 2013年8月30日 (金曜日) 07:10

もうぞうさんへ

手塚さんはちゃんと原子力の危険性も漫画の中に取り入れてリアリティーを出したんだと思いますが、そのなかには放射能の扱いへの警鐘も漫画に入れたんだと思います

投稿: 玉井人ひろた | 2013年8月30日 (金曜日) 08:10

こんにちは~
いつもコメントをいただきありがとうございます。
おもしろい分析ですね。
マンガやアニメには、未来への私たちの思いが詰まっています。
ロボット研究者の多くは、鉄腕アトムにあこがれたという話を聞きます。
22世紀にはきっと(クリーンなエネルギーの)ドラえもんが待っていてくれると、私は信じています。

投稿: チエちゃん | 2013年9月 1日 (日曜日) 15:13

チエちゃんへ

ドラえもんも核エネルギーの原子炉が動力ですからクリーンエネルギーかどうかは判断しかねるところが、現実的には有ります。

投稿: 玉井人ひろた | 2013年9月 1日 (日曜日) 15:52

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

投稿: 履歴書 | 2013年10月16日 (水曜日) 11:10

履歴書さんへ

ありがとうございます

投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月16日 (水曜日) 17:46

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