話し方・言葉の‘誤用ランキング’
小学館の国語辞典「大辞泉」編集部は、米国の辞書編修者ノア・ウェブスターの誕生日にちなんで制定された10月16日の「辞書の日」を記念して「間違った意味で使われる言葉ランキング」と「言い間違いされる言葉ランキング」という企画を実施し、9月20日~23日までの期間で、15歳以上の男女を対象にインターネット調査を実施、その中から1200名の有効回答を得、このほどその結果を発表しました。
まずは、その発表されたランキングを記載してみましょう。
<‘言い間違いされる言葉’ランキングの上位10>
- 間が持たない(異)→ 間が持てない(本来)
- 声をあらげる(異)→ 声をあららげる(本来)
- 足元をすくう (異)→ 足をすくう (本来)
- 采配を振るう(異)→ 采配を振る (本来)
- 怒り心頭に達する(異)→ 怒り心頭に発する(本来)
- 押しも押されぬ(異)→ 押しも押されもせぬ(本来)
- 熱にうなされる(異)→ 熱に浮かされる(本来)
- 上には上がいる(異)→ 上には上がある(本来)
- 愛想を振りまく(異)→ 愛嬌を振りまく(本来)
- 食指を伸ばす(異)→ 触手を伸ばす(本来)
<‘間違った意味で使われる言葉’ランキングの上位10>
- ハッカー
本来の意味=コンピューターに非常に詳しくプログラミングなどの高度な技術を持った人
“コンピュータに不正なアクセスなどをして犯罪行為をする人”のことは「クラッカー」という(ブラックハッカーという言い方も有る)。- 確信犯
本来の意味=信念に基づき「正しいことだ」と思い込んでする犯罪
“悪いことであるとわかっていながらする犯罪”のことではない- 他力本願
本来の意味=仏教語・自らの修行の力ではなく、阿弥陀仏の力で成仏することを願う意味
“自分は努力せず他人の助けをあてにすること”ではない- 破天荒
本来の意味=誰も成しえなかったことをすること。前人未到。
“豪快で大胆不敵なこと”ではない- 姑息(な手段)
本来の意味=一時しのぎ、まにあわせであるさま(「姑」=しばらく)
“卑怯であるさま”ではない- 失笑する
本来の意味=思わず笑い出す
“笑いも出ないくらい呆れること”ではない- 敷居が高い
本来の意味=相手に不義理または面目ないことがあって、その人の家に行きにくいこと
“高級すぎたり、上品過ぎたりして、入りにくいこと”ではない- (話しの)さわり
本来の意味=話の要点、または最も興味を引く部分のこと
“話しの最初の部分”ではない- なしくずし
本来の意味=物事を少しづつ済ましていくこと。借金を少しずつ返却すること。
“物事が曖昧のまま進んでいくこと”ではない- 悪びれる
本来の意味=恥かしがったり、卑屈な態度をとること
“虚勢を張って悪事を働いても悪いとは思わない態度”のことではない。そう言う様子なら「ふてぶてしい」である。
このような結果でした。
ただし、「声をあららげる」については、最近は「あらげる」を使用する人の増加に伴い、放送現場では「あらげる」の使用も認められるようになってきていたり、「足をすくう」についても、「すくう」という意味から考えると「足もと」が間違いとはいえないという議論もあるそうです。
ですから「大辞泉」編集部では、「言葉というものは、それ自体も意味も、時代によって変遷していくのも事実。発表したことばは、必ずしも‘間違い’とは言い切れない場合もありますので、そういった言葉の変遷を随時追跡し、辞書に反映する体制を整えています」ということのようです。
つまり、何年か後にはランキングされた言葉も市民権を得ている可能性が高いようですから、嫌悪感をあらわにして指摘するようなことはしないほうがいいようですね。
そうしてもらうと、標準語が難敵である私自身がありがたいです)
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コメント
言葉は生きている…ですね
投稿: 空 | 2013年10月17日 08:40
空さんへ
その通りですね
投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月17日 16:31
誤用が多くなると、それが当たり前になって、正用になってしまうのでしょうか?
でも本来の使い方が正しいと、言い切れるか?との疑問もあります。
投稿: もうぞう | 2013年10月17日 19:36
もうぞうさんへ
そういうことですね。
私は未だに使えませんが「ぜんぜん良い」とかがそうですよね。
投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月17日 22:27
難しいですね。
私もぜんぜん良いとは言えません。
本当はおかしくないそうですね。
投稿: kiyoka | 2013年10月17日 23:07
kiyokaさんへ
言えませんよね
投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月18日 18:36