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2013年10月20日 (日曜日)

沖縄米軍基地に存在した化学兵器=‘枯葉剤’

今月は10月20日ですから、もう4ヵ月以上も前になる2013年6月18日、「琉球新報」の記事です。

【沖縄】沖縄市諸見里にある市のサッカー場の工事現場からドラム缶十数本が見つかった問題で、ドラム缶に世界最大規模の総合化学品メーカーの「ダウ・ケミカル社」(THE DOW CHEMICAL COMPANY)の社名が記載されていることが17日までに分かった。

ダウ・ケミカル社は、ベトナム戦争(1960~1975)当時にアメリカ軍が散布したダイオキシンを含む‘枯れ葉剤’を供給した、枯れ葉剤製造最大手企業であることから、今回、見つかったドラム缶は、枯れ葉剤が県内で貯蔵されていたことを示すものである可能性が出てきた
・・・(中略)・・・

ドラム缶が見つかった地域は1987年8月に返還されたアメリカ空軍嘉手納基地の一区画で、ドラム缶は米軍の遺棄物の可能性が高い。
沖縄防衛局は、ドラム缶の使用の有無や返還前の用途について、米軍側に照会しているが、17日夜までに回答はない。

私は、この事実を昨日、19日のBS朝日の特番を見るまで知りませんでしたし、日本国内で大きな問になったという記憶も有りませんが、それは私だけの記憶違いでしょうか?

ドラム缶に内容物は見当たらなかったが、場所が米軍跡地と言うことも有り内容物に関し防衛省が調査することになったのは当然なことですが、
サッカー場を管理する沖縄市教育委員会も独自にドラム缶の内容物や現場周辺の土壌を調査を行ったのです。

そしてその結果が、なんとも疑念を起こさせる結果になったことが同番組で紹介検証されました。

【防衛省の調査結果】

  • 調査した成分からドラム缶の内容物は農薬などに使われる“除草剤であったと思われる。

【沖縄市の独自調査結果】

  • 成分には有毒なダイオキシン物質が異常に高濃度の数値で複数含まれいること、石油系燃料の異臭を放っている(ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤は、散布しやすくするため、ディーゼルなどの燃料と混ぜて使用されていた)ことから、ドラム缶の内容物はベトナムなどで米軍が使用した“枯れ葉剤”だった可能性が高い。

実際の発表ではもっと微妙な言い方になっていますが、要するに両者の調査結果は「防衛省=枯れ葉剤ではない」と言うのに対し、「沖縄市=枯葉剤である」と、いうものと受け止めるしか無いものでした。

言っておきますが、農業に使えば「除草剤」、軍用に使えば「枯れ葉剤」というだけで、どちらも同じものです。

そもそも、アメリカ軍がベトナム戦争で使った枯れ葉剤とは?

 ベトナム戦争中の1961年から、米軍が南ベトナム解放民族戦線の拠点であり、隠れ場所になっていた密林を枯死させ無くす目的で、ディーゼルエンジンの燃料と混ぜられ撒布しやすくして空中から大量に散布したもので、米軍は当初「植物に対して使うもので人畜には無害」と発表されていた。
しかし、実態は木々を枯らすために有害で知られる砒素(ひそ)や強力な毒性を持つダイオキシンを高濃度で含んだ“除草剤”を使用したため、家畜が大量死したり、散布された地域では、がんや出産異常などの増加傾向が見られ、人体への有害性が指摘されている。それはアメリカの調査機関も調査し認めている
そして、それらの奇形などの出産異常は現在でも無くなってはいない。

この日の番組内放送では、当時沖縄の基地に所属していた退役軍人が出演し、当時の基地での様子を次のように証言していました。

当時、我々は沖縄基地で‘枯れ葉剤’とディーゼルエンジンの燃料を混ぜて散布しやすくしたものをオレンジ色のラインを付いたドラム缶に詰めることをしていた

つまり、沖縄米軍基地内には枯れ葉剤を詰めたドラム缶が大量に保管されていたというのです。ただし、このことはアメリカ政府は認めていません。

この番組で「韓国の米軍基地跡にはこんなことは無かったのか?」という話題になりましたが、
実は韓国のソウルでも、米軍跡地から枯れ葉剤が詰められたドラム缶が見つかっていたのです。

韓国では、このドラム缶が見つかって国家的問題に発展しデモなども起き、現在はアメリカが処理作業などを行っているそうです。

沖縄市では17日現在、土中から引き上げたそのドラム缶はブルーシートで覆われ、工事現場の一角で保管。現場は立ち入りが禁止されているそうですが、日本の場合は韓国と違い‘日米地位協定’を守る、アメリカに優しい政治家が多ですから最終処理は日本政府が行うことになることでしょう。

同じ同盟国でも、なぜこれほど違うのか?敗戦国だから?・・・それは変でしょう。だいたい沖縄県民が納得するとは思えないです。

日本政府も政府ですが、埋められていたドラム缶は空で、地下に大量の毒物が浸みこんでいる可能性があり、もしかすると周辺ではベトナムのような出産異常が起きていた可能性もある原発事故より逼迫した問題なのに、日本国民の世論や全国紙などのマスメディアの扱いの低さはいったいどういうことなのでしょう?

 

<日米地位協定 第4条の概要>・・・(返還について)

アメリカ軍が保有使用している施設・区域を日本に返還する際に関し、アメリカはこれを提供された時のように施設などを撤去したりして元の状態に回復したり、又はその回復作業の代償として日本側に補償金(賠償金)などを支払う義務は、一切負わない。(つまり、廃棄物を埋めていたとしてもその責任は無い)

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コメント

かのレイチェル・カーソンは何十年も前に枯れ葉剤≠除草剤の恐ろしい弊害を訴えていた筈です
原発もこれ程に日本全国の周囲を取り囲んで居たらさしずめ40年の時限爆弾に久しいかもとの想像力は働かなかったのでしょうか?世のお偉いさん達は!無性に腹立たしいです

投稿: 空 | 2013年10月20日 (日曜日) 18:11

空さんへ

そう言う考えは有ったら、建てていないでしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月20日 (日曜日) 18:14

日本はアメリカの属国のようなものですからね。
ま~それでアメリカ頼みの防衛を止めようという考え方もあるわけですね。

投稿: もうぞう | 2013年10月20日 (日曜日) 18:20

もうぞうさんへ

そう言う捉え方も有りですね

投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月20日 (日曜日) 19:38

こんばんわ。
改めて、「枯葉剤」って、恐ろしい道具ですね。

投稿: H.K | 2013年10月20日 (日曜日) 21:35

H.Kさんへ

その通りですね

投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月20日 (日曜日) 22:11

枯れ葉剤の恐ろしさは、ベトチャン・ドクチャンだけで
なく、未だに多くのベトナムの人たちを障害者に
追いやっています。
だから、地中深く穴を掘って、対抗したベトナム人は
賢明だったのでしょう。
多少、新聞をちら見する私もこの件は知りませんでした。

頂点同調主義がはびこっている今、マスコミも同様。
政治家とマスコミ指導者のランデブーは
今の政権になってから特にまた頻繁になったようです。

声をあげ、それが力になることを願うばかりです。

http://queue-pin.tea-nifty.com/

投稿: あね | 2013年10月23日 (水曜日) 17:36

あねさんへ

スポンサーのしがらみがある大手マスコミより、WEBニュースの人気が高くなっているのはそのせいもあると思います。
ただWEBニュースも信ぴょう性が低いものも少なくないわけで、慎重に読むべきでしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月23日 (水曜日) 18:17

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