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2013年11月 8日

懲罰動議

参院の許可を得られないまま(正規の手順で許可申請書は提出されていたが、参院から許可が出なかった)日本維新の会のアントニオ猪木参院議員は北朝鮮を訪問しましたね。

北朝鮮では平壌に事務所を開設したり、北朝鮮の要人である張成沢国防委副委員長(金正恩第1書記の後見人とされる)、そして金永日労働党書記と会談し、張氏から「日本の議員団の派遣を喜んで受けます」という考えのコメントまで貰って、日本での問題視をよそに意気揚々と帰国した猪木参議でしたが、岩城参院国対委員長(ふくしま選出)に呼び出され事情聴取されてから顔色が変わってしまいましたね。

それは、思ってもいない懲罰動議が出されることが間違いないことを宣告されたからでしょう。

そして8日のきょう、自民、民主、公明、みんな、共産各党はアントニオ猪木参院議員に対し「(猪木参議の行動は重大かつ明白なルール違反で、参院の秩序を乱すものであり、看過することはできない」という理由に基づき、懲罰動議が山崎正昭参院議長に提出されてしまいました。

来週には間違いなく懲罰動議の委員会が開かれ、猪木参議の処分が決定することでしょう。

処分が出されると、昭和27年(1952)以来60年以上ぶりの出来事になるそうです。

さて、その処分の内容はというと4段階になるようです。

一番軽い場合 ⇒ 『戒 告

  • 一般的に言えば「厳重注意」にあたる。国会本会議で、注意が告げられる

少し重い場合 ⇒ 『陳 謝

  • 一般的に言えば「始末書提出」にあたる。懲罰委員会などが作成した書面によって謝罪の言葉となり、それを所属院の議長に提出。今回の場合参議院議長

さらに重い処分 ⇒ 『登院停止

  • 一般公務員で言う「停職処分」にあたる。最大30日間は国会議員としての職務ができなくなる(国会閉会中もその日数に含まれる
    もちろん国会本会議や委員会には出席できず、もし来た場合処罰が追加される
    (※
    登院停止中も議員報酬である歳費は変わらず受給できるため、一般公務員と比較すれば、単なる休暇に等しいとも言える

最も重い処分 ⇒ 『除 名

  • 一般で言う「懲戒免職」である。これはつまり国会議員の『辞職命令』になるため、国会本会議にかけられ、議員の3分の2以上の賛成がないと決議されない重大な処分になる。
    ただし、これで議員を辞めさせられても、次回の選挙に出馬はでき、それで当選すればまた国会議員に戻ることができる。

ざっと、上記のようなことが定められているのですが、たいていの場合懲罰動議が審議されることが決まった状態あたりから、議員自ら辞職するようになっていくのが慣例のようです。

猪木参議の場合は外交問題にもかかわる重大な問題だったのでこうなったのでしょうね。

それに引き換え、山本参議の園遊会での行動の場合、同議員を選んでしまった責任と、あの行動を阻止できなかった宮内庁職員や警備関係者の処分もしなくてはならないから、「皇室行事参加禁止」という軽い処分決定したのだろうと想像ができてしまいます。

いずれにしても、アントニオ猪木参議はどうなるのでしょうか?辞職したほうがいいように見えますがね。(もし、辞職すると猪木参議は比例選出なので維新の会比例候補の次点者が繰り上げ当選になる

それにしても、国会議員には「減俸・減給」の処分が無いのですから、懲罰などと仰々しい名目にもかかわらず、その内容は「国会議員の保身(議員特権)」が強調された仕組みであることは間違いないです

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コメント

処分の段階というのが、まったく分かりにくいです。
国会の場合もそうですが、一般公務員の場合でも。

投稿: もうぞう | 2013年11月 8日 19:30

もうぞうさんへ

いろいろな派閥や政党などの絡みが有るんだと思います

投稿: 玉井人ひろた | 2013年11月 8日 21:26

懲罰動議ですかーー。
アントニオ猪木議員が何故北朝鮮に
行ったりしたのかもよく分かりませんが、
罰せられる行動になるのですね。
山本議員は懲罰動議とはならない?
よく分かりませんねー。

投稿: 浜辺の月 | 2013年11月 9日 01:17

浜辺の月さんへ

猪木議員は、スポーツ興行などの以前からの交流を活かし、北への外交ルート=パイプを作ろうとしたんだと思います。そして拉致被害者の解決を促進しようとしたのですが、国会の許可が下りず、それによって単独行動になってしまったことが今回の問題ですね。

山本参議の場合、行儀が悪い行動という判断だけにとどまったようです

投稿: 玉井人ひろた | 2013年11月 9日 08:08

山本議員は懲罰動議とはならない?・・・へんですねえ。

投稿: 山口ももり | 2013年11月11日 06:50

山口もももりさんへ

山本参議はかなり反省の態度を示しているのに対し、猪木参議は自分の行動の正当性を示している差も有るんじゃないでしょうか?

投稿: 玉井人ひろた | 2013年11月11日 18:34

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