“消えた”会津沼田街道
日本の交通網というのは実にすばらしいもので、(北海道rと沖縄県除く)陸続きで隣接する府県間には自動車で移動できる直結道路がただ一か所を除けば全てのところで整備されています。
その一か所というのが、福島県に有ります。
福島県は宮城県、山形県、新潟県、群馬県、栃木県、茨城県のと6県と隣接していまして、自動車道や国道で5県とは直接に車で行ける道路があるのですが、唯一‘群馬県’とだけはは直接行くことができる道路が存在しません。
大昔、まだ自動車なども存在しない江戸時代のころまでは歩いて通る道は有って、今でも切れてはいますが「会津沼田街道」という名称の道路が、群馬側からと福島県側から途中まで伸びて残っています。
なぜ切れているかと言うと、そこには本州で最も有名な湿原地帯である尾瀬沼が有るのです。ですから、徒歩でも夏は湿地で歩けないし、冬は2~3m以上も積雪が常識の豪雪地帯で動けなくなりますから途絶えたようです。
さらに、尾瀬が保護地区になったことも道路が作られなかった理由です。
ですから、ここに最も近い福島県の桧枝岐村の人が群馬県側に行こうとすれば、直線で僅か15~20キロしか無い距離を新潟県経由、もしくは栃木県経由で行くしか無く、いずれも150キロメートル以上もの長い距離を走行することになってしまいます。
以前、この尾瀬を潰し大きなダムを作って、東京都民の水がめにしようと思案した都知事が居ましたが、それが実現していたら、交通事情は変わっていたでしょうね
その、人が通らなくなった会津沼田街道は鹿が歩いてきて、尾瀬の植物を荒らしていますが、それが自然な姿なのかもしれませんね。
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コメント
「尾瀬」が群馬と福島を遠くしているのですね。群馬の大間々までは行った事があります。
投稿: 吉田かっちゃん | 2013年11月29日 (金曜日) 18:02
シカが増え過ぎたのは日本狼を絶滅させたせいで、結局は人間が自分達の都合で生態系を破壊し、自分達の首を絞めているのですよねぇ!
投稿: カラ | 2013年11月29日 (金曜日) 20:17
吉田かっちゃんへ
会津や奥会津が遠くなっているだけで、福島県と群馬は遠くではないですよ。誤解される文章でしたね

カラさんへ
人間の都合で増えたことは間違いないですが、日本オオカミとは無関係だと思います。
一番の原因は、明治にになって諏訪大社の「シカの生贄の行事」を野蛮な行為(可哀そう)として禁止したことが、最大の原因です。
諏訪大社では、シカを神聖な動物として毎年神様に供える行事が何百年も続いていました。記録では最多で70頭以上も殺傷して奉納していたようです。
これをしなくなったんですから、増えるのは当然でしょう
投稿: 玉井人ひろた | 2013年11月30日 (土曜日) 11:39
この道路問題こそが、自然保護運動の原点だったのです。
もっとも通そうと思えば、ルートを変えて通すことは可能だと思うのですが・・・
投稿: もうぞう | 2013年11月30日 (土曜日) 20:17
もうぞうさんへ
でしょうね。道路を無くしてまでの保護ですからね
投稿: 玉井人ひろた | 2013年11月30日 (土曜日) 23:01
最近古い街道を歩くという催しが人気のようです。会津沼田街道・・・いいなあ!!!ニ本松峠とかも越えてみたいなあ・・・日光街道とか・・吉村良氏の本ですこし読んだような・・・はなはだ知識が少なくてもうしわけありません。
投稿: 山口ももり | 2013年12月 6日 (金曜日) 09:12
山口ももりさんへ
私の村に隣接する二本松市には「峠」という地名が有りますが、それとは無関係だったんですね
投稿: 玉井人ひろた | 2013年12月 6日 (金曜日) 14:11