「ふじさん」 VS ‘ふじやま’
富士山に行くコースは静岡県側と山梨県側とがありますが、その内の山梨県側に列車を利用していく場合、最も近くポピュラーなのは山梨県富士吉田市の「富士山駅(ふじさん えき)」を利用することだそうです。
その駅、わたしには耳慣れない駅名だと思いましたら、そこは元は「富士吉田駅(ふじよしだ えき)」だったところで、平成23年(2011)7月1日に富士山(ふじさん)にちなんで改名されたところだったのです。
「富士吉田駅」なら、なんども報道されますし知っていました。
その改名も影響があるのか?外国の方がこの駅を探すため検索すると、打ち込む文字は「ふじやま」と入力するのが常なので出て来る駅は群馬県桐生市桐生町にある上毛電鉄の駅、「富士山下駅(ふじやました えき)」になってしまうのだそうです。
さらに紛らわしいことがあります。
そこの駅の近く(徒歩で数分らしい)には駅名の由来ともなった標高約160メートルと低い山で、「富士山(ふじやま)」という同じなの山がちゃんと存在するのです。
この山は名も同じですが、富士山とは無縁では無く、富士山の噴火を鎮めるために立てられている浅間神社が同じく祀られ、烏帽子岩(えぼしいわ)、小御嶽石尊大権現(おみたけせきそんだいごんげん)など富士山を小さくしたような信仰の場所になっているから面白いのです。
そのため、ここを運営する上毛電鉄では、記念入場券の発売、富士信仰の歴史を感じることができる「富士山(ふじやま)」に登ってもらおうとキャンペーンを行ったり、記念入場券等のグッツを販売しているそうです。
商魂たくましい気もしますが、勘違いを利用したものですからいつまで続くかは疑問ですよね。
ここで疑問
- なぜ、外国人は‘ふじやま’と言うことが多いのだろうか?
- なぜ、日本人は「ふじさん」と言うのだろうか。それは正しいのだろうか?
>答え
日本の富士山が最初に欧米諸国に紹介されたのは幕末のころです。
そのころは、欧米では空前の「日本ブーム」が起きていて、いろいろな文化や地名、そして戊辰戦争の様子、それにかかわる人物達を記事にした新聞は飛ぶように売れたそうです。
180センチを越す長身と広い肩幅、引き締まったウェスト、その逆三角形のボディービルダーのような体形から「東洋(日本)のヘラクレス」という愛称まで付けられて、西郷隆盛さんも有名人だったそうです。
そのころ富士山が見える横浜村(今の横浜市)には外国人居留地が出来上がっていて、欧米人も良く見ていたそうです。
そとき横浜村の日本人達が「富士山」を「ふじやま、ふじのやま、ふじのおやま」といっていたのを、そのまま欧米に伝えたのが「ふじやま」と、外国人が言うようになった要因だそうです。
「富士山」の山を「さん」というのが増えたのは明治以降のことで、地理学者や陸軍が作成した地図での読み方が、学校やマスコミを通じて広まったらしいのです。
つまり、昔は「やま」と言うことの方が一般的だったんでしょうね。
そう言えば、我が村の「安達太良山」も「あだたらやま」という場合と「あだたらさん」と言うことがあります。
たぶん、「あだたら」の名称が主であり「山」は付け足しなのでしょうね。
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コメント
安達太良山は地元のエリアでは「岳山(だけやま)」と呼ばれていませんか?
投稿: 空 | 2014年1月24日 19:27
空さんへ
その通りです「だけやま(岳山)」と言うのが通常で、麓にある古い石碑にも「嶽山」と刻んであります。
ですから、私も物心ついたときから安達太良と言うことはめったに無いですね
投稿: 玉井人ひろた | 2014年1月24日 22:03
山をさんとするか、やまとするか?
だいたいは決まっている気がしますが、はっきりしない山もあります。
苗場や至仏山などが思いつきます。
登山者同士では、あえて「山」を省略する場合も多いですね。
投稿: もうぞう | 2014年1月25日 07:20
もうぞうさんへ
わたしも安達太良というふうに「山」は普段つけないです。
それが本来なのかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2014年1月25日 08:34
安達太良・・・・なんか面白い意味がありそう・・・
投稿: 山口ももり | 2014年1月28日 10:17
山口ももりさんへ
過去の私のブログ記事に少し書いてあります
https://iwasironokuni.cocolog-nifty.com/komiti/2005/12/post_4666.html
↑をクリックするとその記事にリンクします
投稿: 玉井人ひろた | 2014年1月28日 12:29