旅客船事故・・・韓国内の報道記事は?
韓国の旅客船事故は日本でも大きく取り上げられていますが、それでは韓国国内ではどのような報道がなされているのかが気になるものです。
韓国の「中央日報」の事故翌日のWEB新聞日本語版の記事を読んでみました。書き出しは嘆きから始まっていました。
「穏やかで平和な海で、290余人が行方不明という海難事故、・・・どうして‘後進国’でも起きないような惨事が大韓民国で起きるのか・・・」
次に、生存者から取材された船内の様子
- 「徐々に傾いた長さ146メートル、6852トンの巨大な船体の中は、完全にパニック状態だった」
- コンテナが崩れ、乗客が下敷きになり、四方から海水が流れ込む状況で、始めのうちは「危険だからその場から動いてはいけない」という内容の船内放送が繰り返された。
- その後の「全員海に飛び込みなさい」という放送で海に飛び込んで救助された生徒は「船内に閉じ込められて逃げられなかった友人と乗客が多い」と涙声で話した
そして、政府の「中央対策本部」への怒りと絶望と激しい批判
朴槿恵(パク・クネ)大統領が迅速に海軍と海洋警察を現地に投入した措置に、多くの国民は安心したが、あきれるのは中央対策本部だ。
何度も多くの惨事を経験してきた韓国社会だが、これほど無能な対策本部は見たことがない。午後2時に368人が救助されたと発表したが、30分後には救助された人は約160人で、290人余りが行方不明という事実を発表。
乗船者の数も477人から459人、462人などと変わるなど、人の数もきちんと数えられず右往左往する対策本部を見ると、怒りと絶望を隠せない。
最後に、船会社と船員への疑問
- 船会社側は「航路の離脱はなく、代理運航でもない」と主張したが、珍島の漁民らは「いつも島の外側をう回していた大きな旅客船が、なぜ『孟骨水道』という暗礁だらけのところを通ったのか分からない」と証言している。
- 霧などで2時間ほど遅く出港したため、時間短縮のために危険水域に入ったのではないか?
- 船舶事故が発生すれば緊急避難のために救命ボートが事故周辺海域に浮くのが常識だが、セウォル号が常備しているはずの救命ボートは全く見られなかったのはなぜか?
- 船員はSOS信号を送っただけで、最も初歩的な安全措置も取らなかったのではないか?
記事は、「関係当局が厳密な事故調査と徹底的な捜査を通じて、一点の疑惑もなく確認しなければならない部分だ」と結ばれていました。
きょうの報道で故発生当時、セウォル号の操舵(そうだ)手に操船を指示するなど船長業務をしていたのは、就任4ヵ月(経験1年半)になる女性の3等航海士(26)だったとの中間調査結果が発表されました。
それを受けて、マスコミ各社が「経験が浅い航海士に、(船長が)操舵を任せたことが事故の要因」というような、論調になってきました。
ただ、3等航海士に操舵を任せるということは日本国内でもよくあることで、3等航海士というのはそれが認められている資格者であり、それが女性であろうとなかろうと違法な行為ではないことを専門家は指摘しています。
そのこと、ちゃんと解って私たちは報道を視ないと、「女性蔑視」になりかねないことだと思いました。
いずれにしても、慰安婦問題を盾に世界中で日本批判を繰り返してきた朴大統領の韓国での立場が大きく揺らいでいることはこの韓国新聞の記事からよく判る気がしました。
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コメント
人間のすること・・・本当に未熟で不注意・・・ニアミスを重ねて修練するところをいきなり大事に至ってしまったというのが不幸です。本当に悲しい事故です。
投稿: 山口ももり | 2014年4月19日 07:39
山口ももりさんへ
仰る通りです
投稿: 玉井人ひろた | 2014年4月19日 13:35