‘大将軍’、今年はどこにいる?
我が地域では今でも「大将軍」というものがよく話に出てきますが、全国的には珍しいことなのでしょうかね?
ここで言う大将軍とは江戸時代の徳川家のような「征夷大将軍」のことでもなく、ましてや北朝鮮の‘将軍様’のことではありません。
ここでいう「大将軍(たいしょうぐん、だいしょうぐん)」とは方位の吉凶をみるときに利用される神のことで、陰陽道においての八将神(はっしょうじん)の一のことですから、その信仰はとても古いものです。
この大将軍は「魔王天王」とも呼ばれる大鬼神、仏教での本地は他化自在天となり、 古代中国では明けの明星を啓明、宵の明星を長庚または太白(たいはく)と呼び、軍事を司る神、荒ぶる神、と扱われ畏れられた神様です。
大将軍は3年ごとに居所を変え、その方角は何をやっても不幸・災いが起こるとされ、特に土を動かすことが良くないとされてきました。
我が村では今でもその信仰は高齢者を中心に根強く信じられているのです。
ですから、昔からリフォームや土地の工事などをするときは大将軍の位置を第一に調べるというのが、我が地域ではよく見受けられることです。
年毎の大将軍が鎮座している方位は十二支によって下記のようになっているとされています。
- 亥、子、丑の3年間 ⇒ 西の方角
- 寅、卯、辰の3年間 ⇒ 北の方角
- 巳、午、未の3年間 ⇒ 東の方角
- 申、酉、戌の3年間 ⇒ 南の方角
今年平成26年(2014)の干支は「甲 午(きのえうま・こうご)」ですから、十二支は「午」と言うことですから大将軍は東にに鎮座し、それは来年の平成27年まで居座り続けるということになっていますので、東の部屋などの改築は「凶」とされその方角の工事は平成28年まで待つしかないわけです。
大将軍の方角は3年間変わらないため、その方角を忌むことを「三年塞がり」と呼んだりするらしいですが、どうしても修理しないと生活に支障をきたしたりしてしまう場合はどうするのか?
そう言う場合、日本の神様にはちゃんと抜け道と言うか、例外が準備されているから面白いのです。
大将軍には遊行日(ゆぎょうび)という期間があり、ちょっとの間その方角の居場所から離れることが有りまして、その間はリフォームなどをしても災いが起こらないと信じられています。
日本の神様は非常に融通が利く紙様ばかりで、ありがたいですね)
ただ、そんなことは迷信だろうと思っている現代人はこちらでも少なくない、というより若者を中心にほとんどいないと言えるかもしれません。
でも、私の経験や母の昔の話しからも、大将軍の位置をいじって災いが起きた話は、とても多いのも事実です。科学的根拠は無いですが、何らかのエネルギーやめぐりあわせ的なものが作用していることは否定できないと思います。
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コメント
昔からの言い伝えは、大事ですよね。それを信じる人にとって尚更です。それって年齢にも寄るのですかね。私も事のいわれを気にするようになりました。
投稿: 吉田かっちゃん | 2014年4月11日 (金曜日) 14:47
吉田かっちゃんへ
年齢を重ねるごとに稀に何かが起きた偶然の経験数が増えて来るからではないでしょうか。
投稿: 玉井人ひろた | 2014年4月11日 (金曜日) 17:50
年寄りは一般に古いしきたりなどを信じますね。
私は馬鹿にしていますが、
その私も年寄りの仲間になりつつあります。
このような伝統や風習はどうなっていくのでしょうかね~
投稿: もうぞう | 2014年4月11日 (金曜日) 19:14
もうぞうさんへ
こういうのって、知らなければ、それはそれで済みますからね
投稿: 玉井人ひろた | 2014年4月11日 (金曜日) 21:55