『申し訳けございません』・が・・・・
明治が舞台のNHK朝のテレビ小説でヒロインが校長に謝罪し「申し訳けありません」という場面を見ました。
ある企業が不祥事を起し謝罪する場面で社長などが深々と頭を下げて「申し訳けございません」と言う映像が流されました。
この言葉は謝罪の場面で、とくに目上の人に対し謙譲・丁寧語としてよく使われるものですね。
私も使ったことがありますし、これをいう時の気持ちは辛いものです。
さて、この「申し訳ない」の丁寧な言い方として一般化している「申し訳けございません」や「申し訳けありません」は‘間違っている言葉’の使い方なんだそうです。
知っていましたか?
正しくは↓のようになります。
- 申し訳けないことでございます。
- 申し訳けないことです。
※「とんでもない」も「とんでもございません」と言うのは間違いで「とんでもないことでございます」とするのが正しい。
なぜこういう言い方になるかと言うと「申し訳ない」はこの言葉自体が一つの形容詞になっていて、変えて使えないからなのだそうです。
そう言われても、ちょっと解り難いですね。
例えば
- 「行かない」を「行かございませ(ありません)」とは言わない
- 「話さない」を「話さありません(ございません)」とは言わない
- 「謝らない」を「謝らございません(ありません)」とは言わない
上記のように、へんてこな日本語になります。
「申し訳ございません」と言う場合、「申し訳ない」の「ない」を「無い」と理解され「ございません」という丁寧表現に代えていることになっていますが、これがそもそも間違いなのです。
この場合に使われている「ない」は前に来る動作の打消しの助動詞であって、けっして「有る、無い」を意味していません。
これはたぶん「申し訳ない」を「申し訳するような言葉が無い」と混同しているか、短縮形だと誤解しているのが要因だとも考えられます。
つまり、どうしても「無い」という意味で使いたいなら、言い方はこうでしょう
- 「申し訳する言葉が有りません(申し訳になる言葉もございません)」
ただし、この言い方は完全に市民権を得ていますし、だれも変な言い方と感じませんので、日本語辞書などでもすでに認知されているようですから、間違った日本語には分類されないですね。
ちょっと、一安心です)
ちなみに、きちんとした謝罪場面で使う正しい言い方は、これだそうです↓
「心よりお詫び申し上げます」
「お恥ずかしい限りです。今後はこのようなことのないよう……」
いずれにしても、そう言う場面に自分がならないことを祈るだけです。
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