無言と粘り強さは日本のお家芸
たぶんテレビや新聞では何も報道していなかったので誰も知らなかったと思いますが、農林水産省の外局で水産資源の保護管理を任務とする「水産庁」では今年の4月に下記のような通達を全国の都道府県知事に対して出していました。
<2014年4月1日付通達>
- ‘小型漁船’に乗船させる者は漁船従事者以外は乗せないようにすること。
- 乗船させる場合は「労働賃金、労働時間などの労働条件にかかる事項などを明記した書面」の交付により、確かに魚業従事者であることを明らかにすることを徹底指導する。
「船舶安全法」では小型漁船への乗船が認められているのは‘漁業者か漁業従事者だけ’と定められているので、この通達はそれほど特殊なものではないようですが、実際にはこの法律は厳格には守られてはおらず、釣り客や観光などに利用している漁船も少なくないようです。
そこで水産庁としては「小型漁船が旅客船に比べ転覆しやすい構造で、遠方を往来すれば事故に巻き込まれた際に救助が遅れかねない」などを安全上のことを主な理由とし、視察や観光での漁船利用を阻止する目的として通達を出したようです。
でも、その本来の目的は察しの良い方なら直ぐに判ることでしょう。
本当の目的は、沖縄県石垣市の「尖閣諸島」、島根県の「竹島」などで、中国や韓国との領有権問題で、一部の団体や運動家が小型漁船に乗ってそれらの島に安易に近づくことを阻止するのが目的です。
昨日の6月7日(土」に、実際にその監視行為が直々に水産庁から役人が出向き沖縄で行われました。
6月7日(土)のこの日は、超保守系政治団体の[頑張れ日本!全国行動委員会]は第19回漁業活動と言う名目で、水島総幹事長以下6名のメンバーは3隻の小型漁船に分乗し尖閣諸島付近に向かうことを目的として、早朝の午前5時半ごろ、石垣市内の漁港に到着したそうです。
そこで待ち構えていたのが(藤田氏を中心とした)水産庁のお役人3名だったのでした。
その水産庁のお役人は直ちにメンバーに「乗船を許可しない」ことを通告したそうですがそこからがもめにもめます。
<“漁業見習い”という名目で乗船予定だったメンバーや船長の言い分>
「どのように漁業見習いを漁業従事者ではないと判断したのか?「どのような改善策があるのか?」
<水産庁の言い分>
「総合的に判断した」そのご沈黙
このやり取りは早朝5半から始まり、水産庁の3人が逃げるようにその場を立ち去る午後2時過ぎまでの、延々と8時間以上も続いたそうで、監視するために上陸していた海上保安官たちの中からは「早く海に戻りましょう」という囁きが聞こえてきたそうです。
船長からは「、「水産庁はこんなことをやっているひまがあるなら、(日台漁業契約の結果、尖閣周辺海域に出没する)台湾漁船を(日本漁船を守るため)何とかするべきだ」と怒鳴り声なども上がったそうです。
ですが、その8時間の間お役人3人は黙して語らずメンバーらに囲まれながら立っていたそうで、「何が何でもメンバーらを尖閣海域へ行かせるな」という命令を忠実に守ったようです。
これらのやり取りについてより、8時間という長い間を立っていた3人のお役人の心情はいかばかりだったでしょうか?
ある意味、日本人らしい粘り強さだとも言えるかもしれません
ところで、この通達「漁業従事者以外は許可しない」ですが、乗船するのがテレビ局だったら黙認するんでしょうね。
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コメント
こんばんわ。
この問題、当分解決しそうにもないですね。
これでは、ずっともめますね。
投稿: H.K | 2014年6月 8日 (日曜日) 21:06
H.Kさんへ
切っ掛けが無いのがそうさせるんだと思います
投稿: 玉井人ひろた | 2014年6月 8日 (日曜日) 21:24