完全試合と原発事故
夏休み前の今頃は全国の高校の野球部員は「第96回全国高校野球選手権大会(「朝日新聞社」の主催。ちなみに春の選抜高校野球は「毎日新聞社」が主催になっている。)」=甲子園を目指して地方大会の真っ最中です。
福島県も熱戦が繰り広げられていますが、7月14日(月)の試合で福島県史上初の「完全試合」が生まれました。
達成したのは、県立小高工業高校の野球部エース「菅野秀哉(かんのひでや)投手(3年)」です(福島高専戦で記録した)。
地方予選と言うのは実力差が有る高校が対戦するため、完全試合がたっせされる確率は高いのです。(ただ、達成は奇跡と言ってよい)
福島県でも過去に12人の投手が完全を達成しているのですが、それがすべて9回までではなくコールド勝ちをしているため本当の意味での「完全試合」にはなっていないのです。
昨年もベスト4入りし、今年は完全試合、次の試合時にはプロのスカウトが6球団から来ていたそうです。
やっと、福島県にも注目の投手が出てきたようです。
さて、その菅野投手が通う小高工業高校は南相馬市小高区にある高校‘だった’のですが、そこは2011年3月の東京電力福島第1原発事故の影響で避難指示解除準備区域内になって、事故後は同市原町区に建設された仮設校舎に移動になっています。
仮設校舎のため野球部には練習グラウンドが無く、練習は近くの市営球場で行うが、グラウンドでの練習は週4日で、週末は使えないことが多い状態になっています。
◆菅野 秀哉(かんの・しゅうや)のプロフィール
1996年(平8)7月8日、福島県相馬市生まれの18歳。桜丘小3年からレッドイーグルスで野球を始める。主に遊撃手だったが、中村一中3年から本格的に投手に転向し、東北大会3位。中学野球の相双選抜メンバー。身長183センチ、体重75キロ。右投げ右打ち。投手(球速Max145㌔)
菅野投手のプロフィールをみれば判りますように、↑のように華々しいものです。
その華々しい経歴を持つ菅野投手が、福島県内でも決して野球部が強豪チームではない小高工校に進学を決めた理由が泣けます。
それは、原発事故と震災直後で練習に苦労しながらも夏の福島大会で4強入りした小高工業高野球部の先輩たちの姿に感動したからだそうです。
小高工業高野球部の昨秋からのスローガンがこれです。
「苦難上等」
どこまで、進むでしょうか?注目です
| 固定リンク | 0
コメント
圧倒的な差があると、コールドゲームになりますから、完全試合やノーヒットノーランさえも「記録」とはならないのでしょうね。
投稿: もうぞう | 2014年7月18日 (金曜日) 07:16
もうぞうさんへ
勝った方も記録にならなくて残念でしょうが、完膚なきまでに敗れたほうはもっと辛いでしょうね
投稿: 玉井人ひろた | 2014年7月18日 (金曜日) 07:57