‘バツイチ’という言い方に、もの申す
「バツイチ」とか「バツニ」とか、離婚回数を示す言葉として一般化している言葉ですが、それが一般化したきっかけは平成4年(1992)9月、お笑いの「明石家さんま」さんと女優の「大竹しのぶ」さんとの離婚会見だったことは、もう忘れ去られたことですね。
その時、明石家さんまさんが暗い離婚の話題をお笑いらしく額に『×』をマジックで書いて記者からの‘ツッコミ’を期待して出てきたのですが、記者たちはそのことに気づいていたのか?気づかなかったのか?誰からも質問が無く、お笑いネタを準備していた‘さんまさん’は額の×印について「離婚すると戸籍の名前にバツがつく意味だ」と自らネタばらしトークを始めたことで、その意味が判り大笑いになりました。
それが報道され、「×1=離婚」ということが日本全国に急速に浸透し『現代用語の基礎知識』1993年版に‘若者用語’として掲載されるまでに一般化していったそうです。
しかし、「バツイチ」の使い方も意味も戸籍法上では誤用であることは報道されることは無く、今も間違ったまま使われていることはほとんどの人が知らないことでしょう。
人は誕生すると必ず親の戸籍に(長男とか長女などと)追記載されます。
でも、その戸籍から何らかの理由で除籍になった場合は、その外された人物の名に役所の担当課職員によって『×』が定規でひかれ消されます(見え消し)。それは夫婦が離婚した場合にも行われます。
これが『×』の意味です。(ただし、現在は手書きが減って、このやり方は無くなりつつあるらしい)
<除籍になって×で消される事例>
- 死亡した場合
- 他の家と養子縁組をした場合
- 結婚し夫婦となった場合
結婚は新たな二人の戸籍が作られるため、双方の親元の戸籍からは除籍され、戸籍の名には‘×’が記される- 夫婦が離婚した場合
夫は、通常そのままで変わらない。
妻は、夫の戸籍から除籍となるため‘×’が記され、戸籍は親の戸籍へ戻る。
ここまで書けば、、いま一般に使われている意味の「バツイチ」のどこが間違っているか、さんまさんの勘違いと合わせてお判りでしょう。
- 間違いのその1>
初めての離婚はバツイチ(バツ1)ではない。
なぜなら、結婚したときが最初に×がつくので、その最初の離婚は2回目の戸籍×なので「バツニ(バツ2)」となるからだ。 - 間違いその2>
サンマさんの誤解
離婚した場合でも男性には×がつかないのでさんまさんの額のバツは間違い
つまり、バツが付くのは結婚した場合で、その後離婚してもバツがつくのが女性だけで男性はつかないのですから、そのいみからいけば「バツ1=結婚」で‘離婚’じゃないんですよね。
ところで、日本の場合結婚すると二人の新しい戸籍が作られるんですが、その時に民法第750条で「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定められているんですが・・・
「どうせ新たな戸籍なんだから‘新たな苗字’にしてもいいんじゃないか?」
などと思う人もたまにあるそうなのです。わたしも、そう言う疑問がわき起こり、調べてみましたが、現在の法律上は(0%ではないらしいが)できないそうです。
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コメント
新しい名字は出来ないわけですから、長い目で見ればだんだん名字の種類が減ることになりますね。
ただ帰化した場合などは、認められるようですよね。
投稿: もうぞう | 2014年7月29日 (火曜日) 19:17
もうぞうさんへ
減りますかね?元々は5つくらいしかなかった苗字が万にも増えたんですからね。
投稿: 玉井人ひろた | 2014年7月29日 (火曜日) 20:03