最先端がん治療=『BNCT』⇒福島県が世界初
癌治療に置いて最もよく知られているのが「放射線治療」ですね。ただ、放射線は癌細胞だけじゃなく、周辺の悪くない細胞まで破壊してしまうため患者には辛く重いリスクが求められていました。
私も実際に、頬肉が無くなった患者を目にしたことが有ります。
そのリスクを軽減する研究は進み現在の放射線治療の最先端は「がん陽子治療」というのが認可され、治療が行われています。
「がん陽子治療の特徴」
>がん病巣のみをねらう放射線治療のため↓
- 正常組織への損傷が‘少なくない’。
- 放射線の影響を受けやすい器官の近くにあるがん細胞にも照射できる。
- 患者様の負担が減り、高齢者にも優しい治療法である。
- 治療後の社会復帰に支障をきたさない治療法である。
とても良い治療法ですが、その治療を行える医療機関というのは少なく大きな大学病院などしか無いのも現状です。
福島県では、2008年(平成20年)10月にオープンし治療が開始された、郡山市にある民間医療機関『総合南東北病院』敷地内の「南東北がん陽子線治療センター」ぐらいでしょう。
そしてもう一つ、放射線治療の最大のリスクである『正常組織への損傷』ですが、この最先端の‘癌陽子治療’でも全く無いということにはならず、どうしても周囲組織への影響が有り、癌の場所によっては決して少なくない損傷が有るようです。
そこで、正常細胞を傷つけず、がん細胞だけを破壊するその治療原理は、がん治療に革命的なブレイクスルーをもたらすものと期待されているのが世界中で研究開発が進んで、治療も実際始っているのがホウ素中性子捕捉療法=『BNCT』というものだそうです。
日本国内でも、電力会社や国の支援を受け「公益財団法人 医用原子力技術研究振興財団 」(理事長、垣添忠生)が中軸になって筑波大学や京都大学で研究開発が進められ、それはすでに治療に使用されているそうです。
ただし、筑波大や京都大を含む全国で4か所の医療施設で治療を受け付けているそうです。
なぜなら、この治療には「原子炉」を使用するため、小さな原子力発電所並みの巨大な施設を要するため、病院内には無いのが現状です。
治療には、医療照射設備が整備されている茨城県にある「日本原子力研究開発機構の『研究用原子炉JRR-4』」と「京都大学原子炉実験所の『KUR』」のたった2か所のBNCT用の治療施設しかないのだそうですが、東日本大震災以降はJRR-4は停止されたため、今現在は京都大の『KUR』だけが唯一使用できる施設だそうです。
ところがです。その施設を小さくすることに成功したのです。原子炉を使わず素粒子の小型加速器ベースの器械で、これで病院内にも設置可能になったのです。
http://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2013/04/articles/1304-03/1304-03_article.html
公的なところでは「国立がんセンター」が設置を決めたようです。
しかし、民間ではなんと唯一福島県郡山市の『総合南東北病院』敷地内の建設が始まっているのです。
先にも紹介した「「南東北がん陽子線治療センター」を所有する病院で、建設が完了し国の治療認可が下りれば「(仮称)南東北BNCT研究センター」というような名称で運営が始まるようです。
これが完成すれば民間医療施設ではBNCT治療導入は日本でで、そして病院内でBNCT 治療を行うのは世界初になるそうです。
建設費総額約67億円という莫大な金額ですが、福島県の「最先端医療を福島に・・」というようなバックアップがあっての事業のようです。
ただ、病院内での使用は世界初のことで、国からの使用認可は少なくとも3年以上かかるのではないかと予想しているそうですが、早く認可が下りることを期待したいです。
明治時代にアジアで最初に放射線療法がおこなわれたのも福島県(飯坂温泉)、何か縁が有りそうです。↓
https://iwasironokuni.cocolog-nifty.com/komiti/2010/06/post-d312.html
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コメント
今晩は♪
郡山市の『総合南東北病院』あまりに有名です。
ちなみにわが市にも南東北病院”あります。
投稿: マコ | 2014年8月23日 (土曜日) 20:44
こんばんわ。
一日も、速くそうなると良いですね。
投稿: H.K | 2014年8月23日 (土曜日) 21:55
マコさんへ
日本の病院ベスト10に入るそうですよ。

H.Kさんへ
その通りですね
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月24日 (日曜日) 07:35
癌・・・・今まさに直面しています。日本人の2/3はがんで死ぬそうですから、大きなニュースですね。私の場合、長生きよりも苦しみがない方がうれしいです。手術後の苦しみは陽性ですが、抗がん剤治療は陰性のしんどさです。手術後は自分がみるみる元気になっていく自覚があり、ある意味、とても朗らかでした。でも・・・半年間も続く抗がん剤治療は痛みがないけれど・・・何とも言えない不快感から逃れられないのです。そうそう・・・東北の朝河貫一博士のこと、なかったような・・・もう一回じっくり本をめくりなおさないと・・・その根気が今ありません。申し訳ない。
投稿: 山口ももり | 2014年8月24日 (日曜日) 09:19
山口ももりさんへ
癌は100%の人が体に持っているそうで、それがいつ何処に出るかが問題なんですよね。
遺伝子学の方では、幼児の内にがん遺伝子を無くしてしまおうという研究も進んでいるようです。
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月24日 (日曜日) 14:55