« 懐かしい?・・・文房具 | トップページ | あくまでも‘仮置き場’ =中間貯蔵施設 »

2014年8月29日 (金曜日)

申請前から結果が決まっていた?(医大新設)

安倍総理の肝いりで‘東日本大震災の被災地の医師不足を解消’しようと、東北に1校だけ新設が予定されている医学部について文部科学省の有識者会議は、申請されていた3校のうち仙台市の「東北薬科大学」を運営する学校法人の構想を選定する方針を固めたことが明らかになりました。

この報道は、福島県にとって「“また、仙台にやられた・負けた」という 大きな落胆と悔しさを強くするものになりました(特に私は)。

申請していた3つの機関(2県)↓

  • 宮城県・村井嘉浩宮城県知事が中心になって推進された、仮称「宮城大学医学部」の構想。
  • 宮城県・仙台市青葉区にある『学報法人東北薬科大学』の新医学部創設構想。
  • 福島県・郡山市にある『一般財団法人脳疾患研究所(南東北病院)』による、仮称「復興大学」の構想。

そして、仙台市の東北薬科大学の構想申請が選定されました。

選定理由は、「地域のニーズに対応した教育を行うこと」など、‘3つの点’で国の基本方針に沿っているとして評価されたことのようです。

それに対し、福島県郡山市の一般財団法人脳疾患研究所の大学が、選定に漏れた理由は、次のような3点だというのです↓。

  1. 福島県立医大との連携が構築されていない
  2. 卒業後の(医師の)地域定着への策が弱い。
  3. 財務面の確実性に欠ける。
    ※、一方、東京電力福島第一原発事故からの再生復興を掲げている点は評価。

文部科学省の有識者会議のメンバーが示した3つの理由の理由には不可解なことが多い。

1番の県との連携が無いと言うが・・・
 同機関は県との連携を強くして現在、日本で初の最新癌治療施設を建設中である。
ただ確かに福島医大とは、競っている間柄ではあるが、それは何の理由にもならないと思います。

2番、に関してはどの大学も差は無く・・・
 福島県内でも最大最多の医療機関を有する南東北病院グループだけでもほとんど卒業生を雇用することが可能であり、理由にならない。

3番、についてはもう何を審査したのか?不明で・・・
 南東北病院は県内で福島医大より外来患者数が多く、そのグループ医療機関は県内の他に青森、宮城、東京にも存在する一大医療機関であり、財政は安定していることは間違いないです。

選定された東北薬科大は「地元のニーズがある」ということですが、一般財団法人脳疾患研究所は申請に当たり、医大施設要望の地元の人々の多くの署名を添えていますので、その点でも不可思議な理由です。

それらを百歩譲ったとして、問題は「東日本大震災の被災地の医師不足を解消」という新説の最大の目標の観点からの矛盾は見逃せません。
次に挙げるデーターを見るとその矛盾がハッキリわかります。

人口10万人あたりの地域別の医師数

■全国47都道府県の平均は『226.5人』(2012)

青森県⇒184.5人(42位)
岩手県⇒189.6人(40位)
宮城県⇒218.3人(27位)
秋田県⇒207.5人(33位)
山形県⇒210.0人(32位)
福島県⇒178.7人(44位)

◆全国の市区町村の平均は『147.69人』(2013)

・仙台市青葉区→373.11
※仙台市5区平均→169.10

・福島県
郡山市 →149.54
福島市 →240.40人(福島医大がある

歴然だと思います。福島県は医師不足県、ワースト5に入っているのです。さらに、今回新設が認められた仙台市青葉区の医師数と落選した郡山市の医師数を比較すれば、小学生でもわかることでしょう。

最も医師が多いところに、なぜ、‘医師不足解消’目的のの医学部を増設しなくてはいけないのでしょうか?

実は、医科大学が新設されると、その大学の教員のための医師を300人ほど必要となるんだそうです。
つまり、新設される大学の周辺や隣接する県から「教授の席を与える」などの待遇を基に有能な医師が引き抜かれることが起こるんだそうで、その結果として地域によっては医師不足が起こるのだそうです。

隣県と言ったらわが福島県です。これでは、福島県民は損するばかりでしょう。

審査する文部科学省の有識者会議のメンバーとは、各大学から選ばれた人々です。その方たちが優先するのは、関係する大学です。

その大学(福島県立大学)に関係していない、郡山市の申請は却下されることは前もって決まっていたような気がしてならないのです。

患者の医療より、既存大学の増設など保身のほうが大事なのでしょう。

これによって、福島医大は放射線医療の独占体制が確定ですよね

| |

« 懐かしい?・・・文房具 | トップページ | あくまでも‘仮置き場’ =中間貯蔵施設 »

コメント

今晩は♪
これで将来地方の医師不足は解消されるんでしょうか?
震災後はますます医師不足でした、
夫は医師集めに苦労した人です。
退職後も定着しない様子を気にかけています。

投稿: マコ | 2014年8月29日 (金曜日) 18:30

マコさんへ

素人考えでも、解消されないことはよく判る気がします。
多いところは多い、少ないところはドンドン少なくなっていくでしょう

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月29日 (金曜日) 18:47

新潟県は、歯科医師数(開業医)が多いと言われています。
その理由に歯科大が2校あるためだと。
地元の大学の影響は大きいようですね。

投稿: もうぞう | 2014年8月30日 (土曜日) 07:26

もうぞうさんへ

歯科医のばあいは、大学に関係なく多い気がします。私の地域もやたらめった歯科医が開業して、何処へ行っても歯医者だけは目立ちます。

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月30日 (土曜日) 07:52

本当に矛盾だらけで不可解を通り越して、はっきり言って不愉快です

投稿: 空 | 2014年8月30日 (土曜日) 13:16

空さんへ

これが世の常と言うなら、民主主義は看板だけと言うことでしょう

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月30日 (土曜日) 14:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 申請前から結果が決まっていた?(医大新設):

« 懐かしい?・・・文房具 | トップページ | あくまでも‘仮置き場’ =中間貯蔵施設 »