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2014年8月 6日 (水曜日)

朝日の誤報容認で‘河野談話’が揺れる

「従軍慰安婦」という 言い方や呼び名は、終戦から25年以上も経ったころノンフェクション作家「千田夏光」のルポ「従軍慰安婦“声なき女”八万人の告発』昭和48(1973)発刊の文章、またはそれより2年前の昭和46(1971)8月23日号『週刊実話』の中で記者らが使ったものが初めてだと言われ、戦時中には存在しなかった言葉です。

これが国際的に広まり問題になったきっかけは、自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長である作家の「吉田清治」氏が昭和52年(1977)出版した『朝鮮人慰安婦と日本人』(新人物往来社)をもとになり、その著者の吉田氏の証言をもとに「従軍慰安婦」についてとりあげ「朝日新聞社」が記事にしたことで一般に広まりました。

それはその後に、「河野談話」として日本政府が、慰安婦問題を認め謝罪するまでに至りました。

▲平成5年(1993)8月4日河野官房長官(当時)談話の要旨

 今次調査の結果、長期にかつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。
慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理および慰安婦の移送に関しては旧日本軍が直接、あるいは間接にこれに関与した。
慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も甘言、強圧によるなど、総じて本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに、官憲などが直接、これに加担したこともあったことが 明らかになった。
本件は当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた間題である。
従軍慰安婦として数多くの苦痛を経験され、心身にわたるいやしがたい傷を負われたすべての方々に心からおわびと反省の気持ちを申し上げる。

その河野談話も“吉田証言”が重要な位置を占めていることはよく知られたことです。

しかし、この吉田氏の慰安婦の証言はその当時疑問がもたれました。
その疑問を持った一人で日本の歴史学者で法学博士の秦郁彦教授(千葉大学法経学部教授、日本大学法学部教授、東大法学博士をも歴任)は、済州島に行って調査しましたが、現地でえられた証言は吉田証言を否定的なものばかりだったとされました。
そのほか、この証言にたいする多くの疑問がだされているが、これについて吉田氏は一切反論していません。

Photo

それでも、欧米各国で従軍慰安婦に賛同している国では今でも「吉田証言」が使われているのです。
※、フォトは日本軍のあとを楽しそうについて歩く慰安婦ですが、これは慰安婦問題では絶対使われないものです⇒

ところが、5日の火曜日の朝刊で、慰安婦問題の煽り役だった朝日新聞が、我が紙が16回も取り上げた自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏の「慰安婦を強制連行した」との証言については「虚偽だと判断し、記事を取り消します」と発表してしまいました。

記事では「当時は、慰安婦問題に関する研究が進んでおらず、記者が参考にした資料などにも慰安婦と挺身隊の混同がみられたことから、誤用しました。
もともと関係のない慰安婦と工場などに動員された女子挺身隊とを繰り返し混同した記事を掲載した」と間違いを認めました。

Photo_2

<女子挺身隊は昭和18年(1943)に創設された勤労奉仕団のことで、市町村長・町内会・部落会・婦人団体等の協力により‘14歳以上25歳以下の女性’で構成されていて、男性不足となった工場、そして戦場などで活躍した女性組織で、写真のように軍もその労働と意識に一目を置いた組織であった。

この挺身隊と従軍していた「酌婦」、当時は‘からゆき唐行きさん’とか言われた女性達と混同されたことが問題になりました。

そもそも、この「挺身隊」の文字の「挺身」は朝鮮・韓国語では「未婚女性や若い女性=処女」の意味があり、挺身隊=“処女供出”と捉えられた誤解も大きいようです。

ですから、平成2年(1990)11月に発足した韓国の組織名は「従軍慰安婦」の文字は無く「韓国挺身隊問題対策協議会」という名称になっています。

この誤解もまた朝日新聞の記事なのです。ですから、現在の日韓関係の悪化は朝日新聞の責任がとても大きいのです。(靖国問題も同じ朝日)

もっと、問題は河野洋平官房長官談話も、そして↓平成7年(1995)8月15日の村山談話
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/07/dmu_0815.html
についても、日本国内では知られているのに、韓国国内ではほとんど知られていないことです。

これは、NHKでやった特番で韓国の高校生が「村山・河野談話が有ったなんて初めて知りました」と表情を変えていたことでで、知りました。

韓国政府が意図的に両談話の報道を葬ったようです。これが最も日韓関係悪化の元凶なのでしょう。

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コメント

簡明かつ客観的なデータ。見事です。早速機内保存させていただきます。

河野談話は発表前に韓国側とすり合わせをしたそうですが、短い文章の中で日本の立場をギリギリ反映した芸術作品だと思います。

たとえば「総じて本人の意思に反して」というのは、日本人娼婦が客が減った国内花街から「男がお国のために戦っているところへ行って……」などの例を除いて、新人はほとんどがそうだと思います。

ということは、だまされたか、知っていてもいやいや、というケースを含み、強制連行を意味しないようになっています。

しかし口は災いのもと。火を消すつもりが火種になってしまいました。残念としか言いようがありません。日本人の謙譲の美徳もほどほどにしなければ、と痛感します。

投稿: ましま | 2014年8月 7日 (木曜日) 11:02

ましまさんへ

謙虚の言葉の言い回しは、曖昧で訳し方によって捉えられ方が180度変わったりもします。
通訳は大変でしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月 7日 (木曜日) 16:31

今頃になって・・・という感じです。ともかく敵の回し者としか思えない進歩的左翼とひとくくりできない人種が多すぎました。教育の現場、マスコミ、特にマスコミの責任は重大です。田島陽子・・出て来い!!!

投稿: 山口ももり | 2014年8月 8日 (金曜日) 08:50

山口ももりさんへ

田島氏の言うことは全否定はしませんが、極論者でヒステリックになると確認なしで騒ぎ出すのが問題です

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月 8日 (金曜日) 16:44

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