『靖国神社』に祀されてる人の“誤解”
またまた、閣僚らの終戦記念日に合わせた靖国神社参拝が行われたことで、いつものように韓国と中国と日本国内でも一部の方々やマスメディアが反対、賛成の大騒ぎですね。私としては、なんだかその騒ぎに慣れてきた感があります。
さて、靖国神社には様々な誤解や勘違いが日本人にも存在します。
たとえば「『靖国神社』は‘神社庁’に属していない特殊な神社」などということも知られていない事実でしょう。
靖国についての「よくある質問」で多くみかけられるのが、‘祀られている人物’についての誤解ですね。
その1>一般人や兵役が無かった女性は祀られていないのでは? ⇒ 誤解です。
- 旧日本領樺太の真岡町において昭和20年8月20日、ソ連軍が侵攻する姿を見、『皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら』の最後の言葉を残し、最後まで職場を離れず自決なされた、樺太真岡郵便局の電話交換手たちだった9名の若い女性達も祀られています
- 沖縄戦で亡くなった「ひめゆり学徒隊」の女生徒たち、そして日赤救護看護婦(従軍看護婦)であった西沢都弥(渡弥)さん達などが祀られています。
- 合計で、女性も5万7千余柱が合祀されています。
その2>会津藩士や西郷隆盛は賊軍として明治政府と戦ったので祀られていないのでは?⇒誤解です。
- 確かに、テレビによく出て来る靖国神社本殿には祀られていませんが、本殿並びにある「鎮霊社」という昭和40年(1965)7月に当時の「筑波藤麿宮司」の発案で、建立されたお社に、祀られています。
- 会津戦争で戦死した会津藩士は、本殿と「鎮霊社」に分けられ祀られています。
この、靖国神社内にある「鎮霊社」の読み方は「しずみたまのやしろ」や「こころしずめのやしろ」とかあるようですが、正確には判りませんが、多くの国を思って戦い殉じたが靖国本殿には合祀されなかった方々が祀られています。
先にもあげましたが、西郷隆盛、会津白虎隊、上野寛永寺で戦死した彰義隊、そして日本の英雄でありながらも「自決したのであって、戦死ではない」として合祀されなかった東郷平八郎や乃木希典などの人々も祀られています。
なぜなら、日本人だけではなく国籍を問わず国内外すべての戦没者を慰霊しているいのです。
なんと、大変な戦争になって初めて自衛隊が外国に行ったあの「湾岸戦争」での戦死者(イラク人やアメリカ人など)、その人々を名前の無いまますべて敵味方なくここで祀り慰霊しているのです。
歴代総理や閣僚たちは、本殿には参拝しますがここに参拝する人はおりませんでした。
しかし、安倍総理大臣が昨年末(2013年12月27日)の靖国参拝の際に史上初めてこの「鎮霊社」にわざわざ出向き参拝したことは、画期的な出来事でした。
ところが、マスメディアのほとんどが「首相、靖国神社の電撃参拝」など、今まで通りの靖国問題を引っ張り出しての記事と、お決まりの韓国と中国の反応記事ばかりが報道されていました。
マスメディアは、安倍総理の「鎮霊社」に参拝した意義を報道するどころか、そのことについて触れるところも皆無状態で、極々一部のメディアでだけ取り上げたにすぎませんでした。
わたしも、報道が無いのでずいぶんと後になってその参拝のことを知りました。
安倍首相は、外国人も慰霊される「鎮霊社」を参拝することで中国・韓国の批判をかわそうとしたようですが、「平和のための参拝」なら他の閣僚もここも参拝すべきだと思います。
靖国神社には、出撃前夜アリランを歌って沖縄に特攻出撃した朝鮮出身の『光山文博陸軍大尉』や、『李登輝元台湾総統』の実兄の『李登欽海軍上等機関兵』、そして一生朝鮮名を変えずにいたにもかかわらず、日本具や政府からその人柄を尊敬され中将という高い地位まで出世し戦死した『洪思翊陸軍中将』も合祀されています。
靖国には朝鮮・台湾出身者およそ5万人のが祀られています。
終戦後には台湾総統らが靖国参拝を公式に1度だけ行っていますが、その後は中国の影響で台湾の要人による靖国参拝は見送られています。
どうも、靖国問題も慰安婦問題も、日本はマスコミペースで行われているようで真相究明がなされていない気がします。それは歴代政府が「この問題にはなるべく触れるな。騒ぎたい奴には騒がしておけ」という姿勢を通してきたせいでしょう
さらに靖国敷地には、招魂社=靖国の精神の元になったお宮だったことから、昭和6年(1931)に建立された「元宮」という社も鎮霊社の隣に並設されてるがあまり知られていない。
ただ、「『鎮霊社』とは最初はA級戦犯合祀のための間、一時的に祀るために建てられ社だった」という逸話があり、つい最近まで出入りどころか近づくのも禁止されていたこの鎮霊社という小さなお宮には謎と秘密が多い
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コメント
新聞社のへたくらしいコラムより、素晴らしい。
いや、コラムなんかではなく、社説かな?
投稿: もうぞう | 2014年8月17日 18:47
もうぞうさんへ
この記事は、かなり前からストックしていたものなのでもっと短くしたかったのですが、やはり長くなってしまいました
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月17日 18:53
歴代総理が靖国神社になぜ中国や韓国アメリカ合衆国にまで反発を受けながら殊更お参りするのか?
攻撃の口実を与えるだけなのにと思っていましたが
そういうこともあるんですね。
認識を新たにしました。
投稿: マコ | 2014年8月17日 20:24
マコさんへ
もっともっと、深いのですがここでは止めておきます
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月17日 21:02
こんばんわ。
何でもすぐに、「マスコミ」で取り上げるなんて、迷惑な話ですね、
投稿: H.K | 2014年8月17日 22:01
祀られたくないのに,祀られたら,迷惑至極ではありませんか?
政治と宗教は厳しく分離せねばなりませんよ。
石橋湛山は敗戦直後,「靖国神社御廃止の儀」という提案をしていますが,これが正解だと思いますが。
投稿: 弥勒魁 | 2014年8月18日 04:34
弥勒さんのコメントにモヤモヤが一掃された気がします
そう、祀られたくないのに祀られて、政治に利用されるのはまっぴらゴメンです
投稿: 空 | 2014年8月18日 05:49
H.Kさんへ
(?)いえ、取り上げなかったのですよ
弥勒魁さんへ
「この際国民に永く恨みを残すが如き記念物は仮令如何に大切なものと雖も、之れを一掃し去ることが必要であろう」と言う一説があるものですね。
これは「原爆ドーム」の保存に反対した多くの広島市民らも当時同じようなことを言っていたようです。
いろいろな意見が有ることは、否定しません。
空さんへ
「ひめゆり学徒隊」は本来祀られるはずではなかったのですが、遺族が国を相手に保証を求めたら、なぜか国は靖国に合祀してしまったという経緯があり、家族は靖国合祀に抗議しています。
たしかに、靖国には問題が多くあることは間違いないですが、私のような戦没遺族者にとって靖国はもっと特別な意味があることをご承知おきください。
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月18日 08:36
個人的には大日本帝国憲法と教育勅語が,大日本帝国を滅ぼした,と考えています。
靖国神社はその象徴ですが,結局,亡国神社に成り下がりました。
戦後日本はその反省から,経済発展に国力を注ぎましたが,アングロサクソンとユダヤ資本家の支配を覆すに至ってはいません。
我々は,いま,どうすべきなのでしょうか?
投稿: 弥勒魁 | 2014年8月18日 10:27
弥勒魁さんへ
たしかに、そう言う考え方も是だと思います。
正確には「日本帝国憲法」の拡大解釈と、教育勅語の悪用が日本を悪くしたと言った方が良いというのが、私の考えかたです。
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月18日 17:18
玉井人ひろたさん、
本当に戦没者の家族であれば、どれだけ悲しみ辛い思いをしたことか、一緒に生活しながら看取るより以上の怒りに似た悲しみを経験したことでしょう…!
やりきれない思いを靖国が鎮めてくれたのかも知れませんね…(-.-;)
だからこそ、戦争を美化し戦いに煽るような勢力とは一線を画して抵抗しなければ!と思いますよね?
投稿: 空 | 2014年8月18日 17:39
空さんへ
仰る通りです
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月18日 18:22
怨みを持って亡くなった方の鎮魂の為,ということであれば,第二次大戦の戦域(含むシベリア)に放置されている遺骨収集を,もっと徹底すべきではありませんか?
投稿: 弥勒魁 | 2014年8月20日 04:10
弥勒魁さんへ
>怨みを持って亡くなった方の鎮魂の為
靖国について、↑そう言う考え方と、そういう方がおられることは知っていますし、そう言う意味合いも含まれていると思います。
でも、それは偏った考え方になってしまう可能性が強いと思います。
投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月20日 08:20
その2に関しては今なお本殿には祀られてないので誤解ではないのでは?
なぜ令和において本殿と鎮霊舎を分ける必要があるんですか?
投稿: 都内 | 2021年3月31日 10:42
>都内さんへ
コメントありがとうございます。
私に聞かれてもどうしようもありません。
靖国神社にお尋ねしてはいかがですか。
投稿: 玉井人ひろた | 2021年3月31日 17:21