‘帝国’大学とノーベル賞受賞者
「帝国大学」と言うと、現在の『東大』である「東京帝国大学」を思い浮かべることでしょうし、その他には無いと思っている人がほとんどでしょう。
これは、東京帝国大学が帝国大学と言う名で日本で初めて建設された大学だったからです。
実際には、日本帝国大学は全国に9校創設されました。北から↓
- 北海道帝国大学⇒北海道大学
- 東北帝国大学 ⇒東北大学
- 東京帝国大学 ⇒東京大学
- 名古屋帝国大学⇒名古屋大学
- 京都帝国大学 ⇒京都大学
- 大阪帝国大学 ⇒大阪大学
- 九州帝国大学 ⇒九州大学
- 京城帝国大学 ⇒ソウル大学(韓国)
- 台北帝国大学 ⇒台湾大学(台湾=中華民国)
上記の9校が存在していまして、現在も名を少し変えて存続されていますし、8・9を除く7校は、いずれも有名ですね。
8と9は戦後に日本の大学ではなくなりましたが、台湾では未だに「台湾大学」のことを指す場合は「帝国大学」という呼称を使うのが一般的だそうです。
いずれにしても、日本の頭脳が集う大学であることは今でも変わらないでしょう。
さて、そうなれば日本国内のノーベル賞の受賞者(合計22名)もこれらの大学出身者が占めているのか?
答えから言いますと、やはり受賞者のおおかたがこの7校の出身者で占めているんです。当然と言えば、当然なんでしょうがね。
内訳。↓受賞者の多い順です。
- 東京大学 ⇒7人
- 京都大学 ⇒6人
- 名古屋大学⇒3人
- 北海道大学⇒1人
- 東北大学 ⇒1人
※以下は旧帝国大以外の大学 - 東京工業大学⇒1人
- 神戸大学 ⇒1人
- 徳島大学 ⇒1人
- 長崎大学 ⇒1人
台湾では2人のノーベル賞受賞者がいますが、台湾大学出身者は居ません。
韓国にも、1人受章者がいますがそのものがやはりソウル大学出身ではありません。ただ日本と比べれば受賞者の人数は大差が有り、韓国民はそのことをかなり気にしていて、テレビでは「日本はなぜノーベル賞受賞者が多いのか?」という特集まで組んだりしているようです。
日本人初のノーベル賞受賞者は昭和24年に物理学で受賞した湯川 秀樹(ゆかわ ひでき)氏ですが、本来は日本人初の受賞者は福島県出身の「野口英世博士」だったと言われます。
博士がノミネート(3度選ばれた)されたとき第一次世界大戦がはじまり、ノーベル賞選考委員会は交戦国出身の野口氏を選ぶことができず、さりとて他の人物を選ぶこともできず「該当者無し」にしたんだと言われています。
後年、野口氏には「ノーベル賞を受賞することが多くのお世話になった人への恩返しとなる」とのノーベル賞への強いこだわりがあったことが知られれています。
もし、その時受賞していれば日本や福島県でも快挙でしたし、同氏が少しの間居た現在の順天堂大学には伝説となったことでしょうね。
| 固定リンク | 0
コメント
韓国はたった一人、金大中氏が、平和賞を受賞しているようですが、この趣旨には合いませんね。
投稿: もうぞう | 2014年11月 5日 19:49
もうぞうさんへ
一人おりましたね。文章を変えました。
投稿: 玉井人ひろた | 2014年11月 5日 20:06
賞というのはどの世界にも「運」が付きまといますね。私の大好きな井上靖も長くノーベル賞候補だったとか。川端康成よりははるかに良いと私はおもいますけど・・・何はともあれ、日本人がたくさん受賞しているのはうれしいことです。
投稿: 山口ももり | 2014年11月 6日 07:53
山口ももりさんへ
ただ研究者の場合多くの人がアメリカの大学にも関係していることが、選ばれる要因の一つなのかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2014年11月 6日 18:12