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2014年12月 4日

ロケットの打上角度の‘錯覚’

昨日、「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケット26号機が打ち上げられた様子が報道されましたね。
激しい噴煙を吐きだし上空へ向かう様子が迫力満点でしたが、このロケットは東へ曲がって進んでいたことを感じた人は居ないでしょうね。

ご存知のように、地球は自転をしています。その速度は最も早い赤道上で時速約1670Kmとなります。
それは、北緯30度(北緯30度35分東経130度59分)の地点にある種子島付近でも時速約1440Kmもの高速になります。

つまり、ロケットが発射されると同時に発射台やそこで見ている人々は台地と一緒に高速で東へ移動しますから、真南や真北から見た場合は本来ロケットは西へ西へと離れていくように見えることになりますが、ロケットはあらかじめ東へ(北半球は東南東傾いて飛んでいく設定全世界共通)のでいつまでも種子島の位置と重なり、真上に見えるとういう理屈です。

この目の錯覚は「コリオリの力(ちから)」と言うんだそうですね。

ロケット打ち上げには、この自転の速度を利用するんだそうですが、その制御だけで大変なエネルギーを消費するそうです。その消費が最も少ないのは赤道上だそうで、その意味からも日本のロケット打ち上げ場所は南方の種子島にされている理由の一つだそうです。

これは「地球は自転しているのだから、ロケットは西へ飛ばすと距離を稼げるんじゃないか?」というわたしの素人考えを確認することから始まったものでしたが・・・方向は全く逆でした。

凡人の私には、計算も考えも全く及ばない世界の話しですが、打上研究開発に携わる関係者の凄さを改めて思い知らされることだと思います。

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コメント

おお知りませんでしたね、そういう訳で真上に見えるんですか。
色々と勉強になります、また知識が一つ増えましたよ(笑

投稿: JACKS | 2014年12月 5日 11:22

JACKSさんへ

撮影したカメラの角度によっては急激に曲がって見える場合がある理由もこれのようです

投稿: 玉井人ひろた | 2014年12月 5日 11:59

何年も飛び続けるエネルギーは、どうする?

重力を受けにくい、また真空状態に近いからエネルギーはほとんど要らない?
と考えますが、いかがでしょう。


投稿: もうぞう | 2014年12月 5日 19:12

もうぞうさんへ

慣性の法則や引力の法則とか、などを利用していくようですね。

投稿: 玉井人ひろた | 2014年12月 5日 19:19

これ、全く知りませんでした。戦場の位置によって、大砲の命中精度もこの影響を受けるとか。“コリオリの力”勉強になりました。

投稿: koji | 2014年12月 6日 03:00

kojiさんへ

なんでもこういうものに、すでに名前がついているのにも驚かされます

投稿: 玉井人ひろた | 2014年12月 6日 08:13

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