天光光(てんこうこう)
最近の子どもの名前は、読むことが困難なものが多いと言われますが、明治・大正のころ生まれた方の名前は、今よりすごい名が多いと思います。
それは、読めないというより「名前なのか?」と疑問を抱く人物名が沢山見られます。
タイトルにした「天光光」はそういう名の一人の女性の名前、それも芸名などじゃなく「本名」なのです。
その人物は、昨日の1月29日に96歳で亡くなられた(旧姓・松谷)「園田天光光さん」です。
この方は、戦後初の衆議院総選挙の‘昭和21年(1946)第22回衆議院議員総選挙’に旧東京2区(大選挙区)から「餓死防衛同盟」という組織から立候補しみごと当選を果たし、日本初の女性代議士(39人)のなかの一人となった女性です。
この選挙はGHQ指導によって選挙制度一新された選挙で、「戦後初」・「女性に初めて選挙権と立候補権が与えられた」・「20歳以上の国民全員に選挙権が与えられた」等々、初物尽くしであり、また旧日本帝国議会の最後の選挙となりました。
この選挙で初当選した女性議員は39人、これは2005年の第44回総選挙で43人の女性議員が誕生するまで‘最多人数’でした。
福島県からは、もう亡くなりましたが「山下春江さん」が初当選を果たしています。(ただし、本来の出身は山口県で、福島県にある親戚に疎開していた)
この新しい選挙制度で誕生した男女の衆議院議員は、次の年に現在の日本国憲法を制定させることになります。
その、激変の日本政府の一員だったのが「園田天光光さん」ということになります。
その珍しい名は、父親が「世の中の光となるように」という願いを込めて名付けたそうですが、当の本人は書き難かったらしく、始めのうちは「天光」と略していたそうです。
しかし、父親の思いを知った後はちゃんと3文字にもどしたという逸話が残されています。
新しい日本を最初から見て、自らが携わってきた園田さん、今の現状をどう見ていたのでしょうかね?
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コメント
天光光なんて変わった名前だけど、いわれを聞くと
いい名前だ、と思いますね。
この年に当選した女性をみると、加藤シズエさんとか
その後の婦人解放に大きく貢献した方たちが
名を連ねています。
「餓死防衛同盟」なんていう政党かグループかも
時代を表して興味深い。
それにしても、なんとまあ沢山の政党が生まれ沈み
生まれ、沈みしてきたのでしょう。
そこへいくと共産党だけは名前が変わらないと
いうのもこれまためずらしい。
投稿: あね | 2015年1月30日 (金曜日) 17:17
天光光
変わった名前ですが、普通に読めますからまだマシでしょう。
投稿: もうぞう | 2015年1月30日 (金曜日) 19:29
あねさんへ
同氏が政治の道に入るきっかけは、東京で餓死した多くの人が累々と横たわっていたのを目にしたからだそうですよ。
もうぞうさんへ
そ仰る通り簡単に読めますが、読めてもそれが正しいかどうかが、不安な名ですよね
投稿: 玉井人ひろた | 2015年1月30日 (金曜日) 20:20