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2015年2月12日 (木)

かまびすしい

先月読み終えた本があります。2冊あるんですが、どちらも著者は「帚木逢生(ははきぎ ほうせい)」という現役のお医者さんです。

内容は、あの忌まわしい太平洋戦争に召集され、辛くも生き延びて故郷に帰還できた日本軍の「軍医」たちの手記を集めたものです。

私が知らない太平洋戦争の実態と、軍医達が爆弾や飢餓、そして自らもマラリアなどのやまいに感染しながら現地人や兵隊そして俘虜(ふりょ=捕虜のこと)の医療活動をした様子が描かれた小説です。

一冊は「蝿の帝国」、もう一冊は「蛍の航跡」で、どちらもサブタイトルは「軍医達の黙示録」になっています。

中に出てくる軍医は昭和16年~19年に軍医となった人々ということで、大正生まれもしくは明治末期の生まれの方々なので、かなり古い言葉も出てきます。

あまりにも難しいのは注釈が添えられます。たとえば先にも記しましたが日本軍が使用していた「俘虜(ふりょ)」、これは現在は「捕虜(ほりょ)」言葉に替わりましたので、最初は戸惑いましたが、カナや注釈が有って直ぐに判りました。

ただそれは日常会話では無くなります。ですから、私が初めて耳にした言葉はかなり多くありました。

一番は「かまびすしい」とい言葉です。これは「さわがしい、やかましい」ということを後で知りました。
これを漢字に書くと「囂しい・喧しい」と書くのですが、現代語の「やかましい」も同じく「喧しい」と書きますので、「やかましい」は「かまびすしい」が転じた言葉のようです。
今でも、使われているんでしょうかね?

文章では、「南洋の島の虫がまた‘かまびすく’鳴きだした」というようになっていました。戦前までは難しい標準語(日本語)が、沢山あったようですが、アメリカ文化が入って急激に減っていったのでしょう。

いずれにしても、この本、読んでみる価値はあります。
ソ連軍、毛沢東軍(後の中国人民解放軍)、蒋介石軍(後の国民革命軍)、オランダやイギリス軍、終戦後のそれぞれの国の軍が日本軍や日本人いとった態度が生々しく書かれ、それは私たちが知っているイメージとはかなり違います。

そして、原爆投下された広島・長崎の被爆地において終戦後の9月以降、軍医達は何を行い、何を見、何を感じたかも、この本を読むと判ります。

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コメント

かまびすしいの意味は知りませんが、何となくその意味が分かるような気がしますね。

投稿: もうぞう | 2015年2月12日 (木) 19:07

確か、遥か昔の古文の時間には何度か、聴いたような使ったような…あれは「枕草子」だったか?「徒然草」だったか?

投稿: | 2015年2月13日 (金) 07:14

もうぞうさんへ

なんとなくは想像できたんですが、ハッキリしなかったです


空さんへ

徒然草ですか、本に出てきた方は昭和の町医者だった人ですが、昔の人はそう言う言葉を普通に使っていたんでしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2015年2月13日 (金) 08:10

「かまびすしい」は、(人の)意思、意見、思惑……そういったものが醸し出す雰囲気も含まれていると思います。世間の評判には「かまびすしいものがあった」とは言いますが「電車の音がかまびすしい」とは言わないようです。

投稿: ましま | 2015年2月13日 (金) 09:08

ましまさんへ

そうなると、小説に出てくる大正生まれの軍医さんの使い方(虫がかまびすしい」)は違っていることになりますね

投稿: 玉井人ひろた | 2015年2月13日 (金) 09:17

違っているのではなく、「虫にも意思あり」という擬人化したもので、「こんなとろまでで……」という感覚で読んだ方が気分がでますね。(*^-^)

投稿: ましま | 2015年2月13日 (金) 10:19

ましまさんへ

なるほど、擬人化することで情緒を醸し出したということでしょうか。

投稿: 玉井人ひろた | 2015年2月13日 (金) 10:49

戦争の話で軍医の話や看護婦の話は余り出てきません。「軍医達の黙示録」・・・ぜひ読んでみたいです。
ところで・・・先日のNHKの山百選で安達太良山が取り上げられました。山の風景や回りの山々の景色が素晴らしいものでした。「千恵子」も取り上げられました。

投稿: 吉田かっちゃん | 2015年2月13日 (金) 13:20

吉田かっちゃんへ

百名山に入っていますから、たまに取り上げられますがそれは視なかったです。

「(高村)智恵子」の実家(旧安達町)から見える安達太良山と私の村から見えるのでは、一変します。
より、富士山に近いのが私の村の方だと思っている人が我が村や郡山市や本宮市では多いです

投稿: 玉井人ひろた | 2015年2月13日 (金) 16:20

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