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2015年2月 5日

色紙(しきし)の[表]は?

ギネスにも(同一司会者による世界一長い番組として)認定された長寿番組のテレビ朝日の「徹子の部屋」、同番組の2月4日放送のゲストは、司会の黒栁徹子さんと同い年(81歳)の「永 六輔さん」でした。

永さんはパーキンソン病を患い、言葉が以前のように滑らかな話し方では無くなってしまいましたが、その話しの内容はほとんど変わらないという医師も驚く回復を見せていることでも、よく知られています。

その永さんが、番組冒頭でいきなりサイン用に使われる色紙(しきし)を手にして、テレビを視聴する人たちに向かって次のような誤解を指摘する言葉を語ったのです。

>その内容は↓

「サイン用に使われる色紙なんですけどね。
皆さんは、サインを書く色紙の白い部分を‘だと思っていらっしゃいますが、それは間違いで‘白い部分は’なんです。

これは、サインする側が『私は色紙の表側にサインをするほど、大層な者ではございません』と謙遜して‘裏側の白い方’にサインをするという作法なんです。

つまり、サインを求める側は‘黄色っぽい表’のほうを上にして出し、書く方は裏に書く、というのが正しい作法なんです・・・」

以上のようなもので、WEB上の多くで同じ説明を目にしました。

浅草の最尊寺住職の子息であり、博学で知られる永六輔さんの話ですから、「あ!そうなか」と、「徹子の部屋」を視ていた全ての視聴者がその話に驚き目からうろこが落ちた思いだったことでしょう。なにを隠そう、私も同じく感心してみていました。

ところが、永六輔さんの色紙のお話は「間違い」だったのです。

>色紙は平安時代に誕生したもので、当時は薄い紙に和歌や書を書いて飾っていた。

現代になるとサインなどの贈答用にも使われるようになり、そのまま飾ることができるように台紙として裏に厚紙をつけるようになった。

目的が贈答用ということから、裏の厚紙にも砂子(すなご)などの装飾が施されるようになり派手になって現在に至った。
(※
砂子とは、金・銀の箔を細かい粉にしたもの。蒔絵(まきえ))

このように色紙の裏面が派手になったため、この面を表と勘違いする人が出てきたらしいのです。その勘違いした中に大物俳優がいたらしく、実しやかにその俗説が広まり、それを聞いた一人が、永六輔さんのようです。

勘違い話しをうのみにして、あぶなく誰かに教えるところでした。あぶない、あぶない。

>参考

下記は、紙専門店が出している色紙の表裏と天地の見分け方です。

①‘色紙(しきし)’は模様のある方が表ですが、(サイン用などの白無地の色紙には、裏に銀の砂子(すなご)が蒔いてあるので注意してください

②無地または金縁の色紙(サイン用など)は天地の区別はありません。

③天地に模様がある場合、模様の少ない方、余白の多い方が天です。

④色に濃淡がある場合、濃い方が天。青系は空に見立てて天、茶系は地に見立てて地

⑤砂子の散らしがある場合は、散らしの大きい方が天、同程度であれば色紙の端までの余白が大きい方が天、金銀2色の場合は、金色を天

ちゃんと白いほうが表だと書いてありました。

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コメント

ですよね。
PC印刷用紙などでも、どっちかな?って思うことがあります。

投稿: もうぞう | 2015年2月 5日 19:14

もうぞうさんへ

白も色の内だそうですから、当然でしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2015年2月 6日 16:42

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