公文書仕様の方言・・・『方部』

ふくしま県では、県そして各市町村、さらに県内の団体の公文書に“方言”が使用されています。
しかしながら、それが公文書でも使用されるように県民は‘それ’を福島の方言と思っている人はほぼゼロです。

その言葉とは『方部（ほうぶ）』という言葉です。意味は「地区・方面・地域」となります。

たぶん、このブログを読んだ福島県民は「それって、方言なの？！」と驚愕するはずでしょう。私もそれを初めて知ったのは昨年のことで、それまで共通語だと思って疑わずにいました。

それほど、福島県内では共通語という認識強く、それも改まった公的な言葉だと信じられているからです。

↓は、県内の公式ホームページのサイトのＵＲＬです。

• http://fkcsw.jp/aizu.html（社会福祉会）
• http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025d/h22-24-7houbu.html（県庁）
• http://www.city.fukushima.fukushima.jp/soshiki/43/1552.html（福島市）

クリックしてアクセスすれば、そこに公用語として普通に使用されていることが、解ると思います。

わたしも、普通に「会津方部」、「いわき方部」、「二本松方部」等と昔から普通に使用していますが、福島県以外の方からすればとても違和感のある言葉で「方部って、何？！」と思われるようです）

いつから、福島県内だけで使用されるようになっていったかは不明ですが、父母の年代の大先輩方も当たり前に使っていましたので、戦前よりもっと以前から使われているんだと思います。

ところで、ほんとうに福島県外では同じ使い方をしている都道府県はないのでしょうかね？

いまだ半信半疑の私です。

＜その後の調査結果＞

　その後、どんなにサーチをかけても「方面、地区」の意味で使用されているのは福島県内の各団体や市町村の公文書に使用されれているものばかりであった。

近い使い方としては医療関係文書にそれがあり、「背方部」とか、患部の大まかな「部位」を指す表現として使用されているのが見られた。
しかし、これも地域を表すものではない。

国土交通省の公文書、兵庫県の兵庫県立大学政策科学研究所の都市研究に関する文書のなかには一つの分類言葉として【「都市部」と「地方部」】という言い方が使用されているのが確認できる。

この『地方部』という言い方は、ほかにも良く出てくる言葉で、これが最も福島県内での使用に近い。

そこで、私なりの仮説である。

地域・地区を指す言葉に「南部」、「北部」などは全国でよく使用されるが、その方位＝東西南北に『部』のことばを付けて表せる以外の地域・地区、つまりその他の‘地方部’にあたるところを表すために、「地」の部分を具体的な地域名に置き換えて「福島（地） 方部」というように解りやすくした表現方法が「ＯＯ方部」という言い方ではないか。

これは、昔から日本人が色を表すときにその色を連想させる物品を色名を使って「ねずみ色」とか言うのと近い手法にもよく見られるが、それの手法ではないかと考えられる。

ただ、福島県だけで使用されているという一番の疑問点が解決されなければはっきりしたことは解らないのは確かである。

はたしてその真相は？・・・未だ推測の域を越えられない。