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2015年7月12日 (日曜日)

安倍総理への最大の疑問

安保関連法案の是非については、1000歩譲ったとしても解らない点が一つあります。

安倍総理を始め改憲を叫ぶ人々は、その理由についてだいたい次のように言います。

  1. 現在の日本国憲法の草案は、昭和21年(1946)2月3日~12日までの、わずか9日間で、GHQがまとめたもの。
    その際、GHQには憲法学者も国際法に通じた専門家も加わっていなかった。
  2. 憲法が制定されて60年が経ち、新しい価値観、課題に対応できていない
  3. 憲法は国の基本法であり、(GHQに作らされたものではなく)日本人自らの手で書き上げたものが本来である。
    https://www.s-abe.or.jp/consutitution_policy

これは極論として言えば「現行日本国憲法は、アメリカに作らされたものだからダメだ」と言うことでしょう。

それならば、なぜ・・・?

  • 「安保関連法案」は、アメリカありき(主導的)の法案なのか?
  • 法案成立の日時まで国内議論より前に、アメリカ議会の演説で約束してきたのか?

この全く相反するとしか思えないところが、わたしにとって最も理解できない安倍総理(政権)の考え方です。

現行憲法は、GHQ案と極東委員会要請した「男女同権」文章と幣原喜重郎総理が嘆願した「9条」が加えられ、そして国会での修正と承認を経て出来上がったとされます。

このとき、GHQが日本政府に示した憲法草案の基になったのは、日本国内で結成された『憲法研究会』が作製し、日本政府とGHQに提出されたものだとされています。

『憲法研究会』は、昭和20年(1945)年10月29日、日本文化人連盟創立準備会の折に、元東京大学教授の高野岩三郎氏(社会統計学者)が、京都大学教授で憲法学者の鈴木安蔵氏(福島県相馬郡小高町(現・南相馬市)出身)ら多くの学者らやジャーナリストへの呼びかけにより、民間での憲法制定の準備・研究を目的として結成されたものだったそうです。

同研究会が作製した新憲法草案(現行憲法とほぼ同じ内容)はGHQはやアメリカでも高い評価を得たといわれます。

マッカーサーもその出来に納得したらしく、日本政府が指定した有識者による憲法草案も当然同レベル内容のものだと思っていたところに、マスコミに流布された政府草案内容は、旧態・戦前そのものであったためマッカーサーは激怒したと言われます。

そこで出たのが、GHQのメモであったようです。

つまり、国の学者は面目をつぶされたわけです。改憲論者の多くがその潰された政治家や学者らだと噂されていますが、当らずとも遠からずでしょう。

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コメント

こんばんわ。
確かに、こんな内容では国民が理解出来ない訳ですね。

投稿: H.K | 2015年7月12日 (日曜日) 21:44

あの方流に・・・「まさしく、まさしくですね~ 日本をとり戻すといいながら・・・いいながらですよ。アメリカにしがみつくその姿は理解不能なのであります」

投稿: ススム | 2015年7月13日 (月曜日) 08:07

H.Kさんへ

そうですよね


ススムさんへ

まさしく‘それ’です

投稿: 玉井人ひろた | 2015年7月13日 (月曜日) 09:03

児島襄『史録日本国憲法』という古いドキュメンタリー本があります。新憲法の起案は幣原内閣にまかされていたわけですが、担当の松本国務相が作った案があまりにも保守的で、日本人でさえ受け入れられないようなものだったので、例えばこのようなものを、とGHQが押し付けてきたことが丹念に描かれています。

どちらかというと、松本大臣サイドに立った書き方ですが、松本氏がいかに抵抗したか、法制局の官僚がにほんの表現ならこうすべき、など連日のように折衝し議論したことが書かれています。

安倍さんは何も知らないで、右翼の言い分、スローガンをそのまま鵜呑みにしているようです。こんな人が総理大臣では心底情けなくなります。

投稿: ましま | 2015年7月13日 (月曜日) 11:40

だとするならば、憲法をかえるのが先というものです。
無理な解釈で貫こうとするから、何度説明してもだれも賛同できません。
むしろ矛盾点が出てくる訳ですね。

投稿: もうぞう | 2015年7月13日 (月曜日) 17:18

ましまさんへ

しょせんは、良いとこのお坊ちゃまの考えなのでしょうかね


もうぞうさんへ

わざと憲法との矛盾を作り、憲法改正の根拠としたいのではないでしょうか

投稿: 玉井人ひろた | 2015年7月13日 (月曜日) 18:56

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