褒め殺し・・・?
偶然に国会の参議院の安保特別委員会の質疑で、新党改革代表の荒井広幸参議(福島県出)の質問のところで、福島県の議員と言うことも有りちょっと聞き行ってしまいました。
少人数会派なので5分ほどの短い質問時間でしたが、なかなか面白かったのです。
荒井氏は、質問の冒頭で「先の安倍総理談話に賛意を表します。評価いたします」という、安倍談話を褒めるかのような言葉で切り出したので、会場内は一瞬不思議な静けさになりました。
野党は安保法案に反対でしたのですから、この「談話への賛美」の言葉は、与野党ともあっけにとられたのでしょう。
そして、荒井氏は談話本文の前後に語った総理の言葉を褒め、そして本文の一部を読み上げ始めます
・・・省略・・・しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。
その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。
国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。・・・省略・・・進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html
上記部分を読み上げた後に総理に質問しました。
荒井議員>
「・・・国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。・・・」の「たりえなかった」とは具体的にはどういうことですか?
もちろん総理からは『「たりえなかった」とは、日本政府が軍部の暴走なのに歯止め策が無く、コントロールができなかった』との答弁がなされました。
つまり荒井氏は、、自衛隊出動への二重三重の国会による統制が不可欠であることを安保法成立に先だって強調したかったわけです。
質疑の持ち時間約5分というものでは、こういう一点集中型の質問となるしかないわけですが、総理としては全く否定することができない、実におもしろい切り口を持ってきたものだと思いました。
もう一つ、荒井参議の寸前に持ち時間8分で行われた「山本太郎参議」と総理の質問時間終了寸前のやり取りも面白かったです。
山本参議は、総理が重要な安保委員会の席に3回に1度ぐらいしか出席していない。先日は会議中に休暇まで取っていたことを指摘し
山本参議:「総理は法成立のため、委員会に積極的に出席する意思は有りますか?イエスかノーかでお答えください」
安倍総理:「委員会には担当大臣もおりますしルールが有りまして、委員会の要請が有れば出席いたします」
山本参議:「ルールがあることは知っています。私は、その‘ルールは横に置いて’総理自身の気概・思いのことを聞いています。」
安倍総理:「ルールは横に置くべきものではありません。守ることは大事です」
山本参議:「ルールを守るのが大事と仰るなら、なぜ?総理は憲法(9条)を守らないのですか?」
山本参議の、終了寸前のこの返しの言葉は、薄笑いを浮かべる総理や与党議員の雰囲気を変える効果が有りました。
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コメント
ルールも色々ありますしね。
投稿: もうぞう | 2015年8月21日 19:18
もうぞうさんへ
法律もいろいろありますしね
投稿: 玉井人ひろた | 2015年8月21日 19:32
最近は少数会派が面白い。少数会派でも社民党はだめ。楢崎弥之助の頃がなつかしいです。
投稿: ましま | 2015年8月22日 13:09
ましまさんへ
党は別にして、わたしは「大出俊氏」の質問と、答弁への切り返しが大好きでした。
投稿: 玉井人ひろた | 2015年8月22日 14:00
山本議員の質問は聞いていたのですが、
新井議員の質問は聞きませんでした。
「賛意を表します。」 といった時点で
「あ、新党改革だからね。」 と思ってラジオを
切ったのですが、そんな質問だったのですかぁ。
聞いてみるものですね。
なかなか面白い!
それにしても、次期総裁選も対立候補なし、
昔の自民党にはもっと気概がある人が多かった、と
聞いてておりましたが・・・。
投稿: あね | 2015年8月23日 09:17
あねさんへ
話しだしを聞いたら、そう思いますよね
投稿: 玉井人ひろた | 2015年8月23日 10:56