相撲ファンは考える時期
11月場所で横綱白鵬が見せた「ネコだまし」という技、この技はは小兵力士や実力が劣る力士が格上の相手に行う‘奇襲技・目くらまし技‘です。
ですから相撲ファンは驚きましたし、まだ存命だった北の湖理事長も「(反則では無いが)横綱がやる技ではない」と苦言を呈しました。
幕内力士の約半数が外国人力士になった現在、その‘横綱の品格’というのがたびたび問題にされるようになりました。
それは‘あの’朝青竜‘の相撲態度からマスコミなどを中心に騒がれるようになったことですが、そのたびに引き合いに出されるのが大横綱「双葉山」でしょう。
たしかに、双葉山の69連勝などの偉業は素晴らしいですし、相撲を「国技」に定義づけしたのも双葉山ですから、それは文句のつけようがないことです。
しかし、その対比される双葉山には「璽光尊(じこうそん)事件」という‘前科’が有ります。
詳細は多数の警察官への暴行、つまり公務執行妨害罪がその前科の罪状です。
「昭和の大横綱」とか「角聖」とか神格化されたのは、マスコミや双葉山ファンによって出来上がったものでもありますから、双葉山本人としては草葉の陰で痛しかゆしの思いじゃないでしょうかね(?)
それに関連して相撲ファンやマスコミが最近良く言うことに「日本人力士はどうした。」や「外国人力士ばかりじゃ困る」でしょう。
それはまるで、“昔は、大相撲に強い外国人力士はいなかった”かのような言い方ですが、果たしてそうでしょうか?
外国人力士の草分けと言ったらハワイ出身の「高見山」ですが、そのころに比べると今は横綱全員がモンゴル人力士であることを始めとして、やはり最も多いのはモンゴルそしてヨーロッパやアフリカなど多種多様です。
では、高見山より以前に外国人力士が居なかったのか?
その答えは半分は「ノー」で、半分は「イエス」です。
なぜ、そうなるかというと父親がウクライナ人、母親が日本人というハーフ力士が存在したからです。
その力士の父親の名は「マルキャン・ボリシコ」、母親の旧姓名は「納谷キヨ」と言い、その息子は「イヴァーン」と名付けられました。
ところが、ロシア(ソ連)の事情で、父親は行方知らずとなり(後にウクライナで亡くなっていたことが判明)、母親の名字を名乗って名も日本名の「納谷幸吉」になったのでした。
相撲ファンなら、その名だけで誰だか解るはずです。
「イヴァーン」こと「納谷幸吉」とは、後に「昭和の大横綱」と称された「大鵬」です。
つまり、現在ならウクライナ人(旧ソ連)の父親を持ち北方4島の一つで誕生した人物ですから、国籍は‘ロシア人’になってしまうのです。
相撲を国技としたことは良いとして、それを‘神格化’するのはちょっと行き過ぎの感があるように思えますし、そのこと自体が日本人力士の横綱が現れない要因じゃないかと・・・
ちょっとだけ頭をよぎった次第です()
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コメント
全く同感です下手すると国粋主義?に陥り兼ねない「日本人力士」論議には矢鱈と別な意味できな臭い昨今は特に危惧を感じます(-.-;)
投稿: 空 | 2015年12月 2日 06:18
空さんへ
「国技」と言う名に振り回されている方がおられるからなのかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2015年12月 2日 18:38
大鵬の話は、大まかに知っていましたが、これではっきりと確信しました。
勉強になります。
投稿: もうぞう | 2015年12月 2日 19:24
蒙古の冗談。全く気になりません。
明治初期のころまでは、「国技」、そんなたいそうなものではなかったようです。
しこ名にも冗談めいたのが多かった。
投稿: ましま | 2015年12月 2日 21:29
もうぞうさんへ
以外に知られていないのは、相撲協会がその話をタブーとした可能性も考えられますよね
ましまさんへ
江戸のころは、大名などのお抱え(芸人)だったようですからね。
ただ、神事の一つだったことは間違いないですね
投稿: 玉井人ひろた | 2015年12月 2日 22:21