総理の“パートの25万円”の論争
先週の金曜日1月8日の衆議院予算委員会において、「民主党政権に比べて、第2次安倍政権の方が実質賃金の減少率が高い」と民主党の山井和則議員に指摘されたことに対し、安倍首相が例に挙げた話が今頃になって話題になっていますね。
そのときに安倍総理が「私の妻がパートに出て25万円・・・云々」ということを言ったとして、「パートで25万ももらえると思っているのか?」とか「庶民生活を知らな過ぎる。金銭感覚がずれている」などと大騒ぎなのです。
それに対し安倍総理は「わたしは妻がパートに出て25万円もらえる。など言っていない」と反論しています。
その話を耳にして、昔麻生財務大臣が総理時代に「カップラーメンは600円くらいかな」と言って、大ブーイングを浴びたことを直ぐに思い出しました。
ですから、同じく三世議員である安倍総理ですから、そのくらいは言うのだろうと思ってしまいましたが、一応確認をしました。
そういうのは、必ずどこかのサイトで動画がアップされているので確認が容易なんですね。便利な世の中です。
結論から申し上げましょう。冷静に答弁動画を視ましたが、安倍総理の言ってとおり「妻がパートで25万円云々」などと言う話は、無いと見ました。
全部は、アップできませんがほぼ下記のような安倍総理の答弁内容でした
『ご指摘の実質賃金の減少についてでありますが、景気が回復し、そして雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当たりの平均賃金が低く出ることになるわけであります。
・・・私と妻、妻は働いていなかったけど、景気が上向いてきたから働こうかということで働き始めたら、例えば私が25万円、妻が25万円(月収で)で50万、
え~、私が50万円、妻が25万円であったとしたら、75万円に増えるわけでございますが、2人で働いているわけですから、2で割って平均(所得)は下がるわけです。』
以前も指摘しましたが、安倍総理は‘痛いところや自信が無いところ’を質問・指摘されると、その答弁はオドオドして異様なほどに早口になります。
ですから、上記の答弁もかなりの速さでしゃべっていますので、聞きようによってはパートで働き始めた妻の月収が25万円という文脈にも感じられますが、冷静に見ればそうでないことが読解できる気がします。
ただ
野党から指摘があったように、仮にパートでないにしても、今まで働いたことが無い人や休んでいた女性が急に働き始めて、25万円もらえる職に就くのはほとんど不可能であり、その点から言えば国民感情とのズレは否めないことも事実です。
政権を(大資産家の)二世、三世議員が務めることの弊害の一つかもしれません。
こいうときに思い出すのは、福沢諭吉の学問のすすめ序文です。
「世の中に‘平等’などあり得ないのだから、学問を志すなら‘平等’などという空論は(親が悲しむから)口にするな。考えるな」
これです。福沢諭吉が言うように、世は不平等や貧富の差はあって当然と考えた方が楽なのかもしれません
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コメント
たとえ話というのは、馬脚を現しやすいので用心してなるべく使わないようにしています。特に「妻」とか「ホルムズ海峡」とか固有名詞はなるべく使わない方がいい。
安倍さんにはその心構えがないようです。
投稿: ましま | 2016年1月14日 (木曜日) 20:46
ましまさんへ
焦ったのでしょうね。痛いところをつかれたために
投稿: 玉井人ひろた | 2016年1月14日 (木曜日) 21:48
パートの収入は確かに少ないかも知れません。
でもパートの仕事があるだけでも、アベノミクスの効果ですよ。
って総理が言いましたっけ?
投稿: もうぞう | 2016年1月15日 (金曜日) 19:17
もうぞうさんへ
パートの仕事があるだけでも、アベノミクスの効果・・・ということ、早口で答弁していました
投稿: 玉井人ひろた | 2016年1月16日 (土曜日) 09:19