‘午後12時’とは・・・何時?
日本の年齢の数え方は「民法143条」↓が適用されています。
『誕生日の前日の‘午後12時’に1歳年齢が加算される』
これによると、3月1日生誕生の人と2月29日誕生の人とは同じく‘2月28日’の午後12時をもって1歳年が加算されることになります。
ただし、今年のような閏年の場合は、3月1日誕生の人だけが4年に1度だけ「2月29日」が加算日になるということになります。面白い現象です。
ここで、「あれ!?」と一瞬、迷わないですか。
- 「午後12時」とは、昼の12時?、夜の12時?
答えは夜の12時(24時)なんですがとても誤解しやすい言い方だと思います。
誤解しやすいと言えば、さらに、こんな疑問も↓
- 昼12時は「午後 0時」か?
- 昼12時は「午後12時」か?
- 昼12時は「午前12時」と言っていいのか?
- 真夜中の12時は「午前 0時」か?「午後12時」か?
結論から言えば、すべて間違いではないそうですが、これも紛らわしい。
例えば、「午前12時30分」という連絡や案内が届いたとしますと・・・
これを受け取った人は、これを昼のことと考えるでしょうか?、それとも夜中のことと考えるでしょうか?
たぶん、全員同じ見方にはならず、幾人かは迷ったり勘違いすると思うんです。
では、どうしてこういう言い方がができたかと言うと、それは明治5年(1872)11月9日に出された「太政官達(だじょうかんたっし)第337号」という、今で言う内閣からの通達にまで遡ってしまうようです。
明治5年11月9日 太政官達 第337号 | ||||
時刻表 | ||||
午前 | 零時 子刻 | 一時 子半刻 | 二時 丑刻 | 三時 丑半刻 |
四時 寅刻 | 五時 寅半刻 | 六時 卯刻 | 七時 卯半刻 | |
八時 辰刻 | 九時 辰半刻 | 十時 巳刻 | 十一時 巳半刻 | |
十二時 午刻 | ||||
午後 | 一時 午半刻 | 二時 未刻 | 三時 未半刻 | 四時 申刻 |
五時 申半刻 | 六時 酉刻 | 七時 酉半刻 | 八時 戌刻 | |
九時 戌半刻 | 十時 亥刻 | 十一時 亥半刻 | 十二時 子刻 |
↑この‘時刻の呼び方の表’を見ると、真夜中に対しては「午前 0時」「午後12時」という二つの言い方が書かれていますが、正午に対しては「午前12時」という言い方だけしか書かれておらず「午後0時」という言い方は記載がありません。
ですから、正午を「午後 0時」と呼ぶのは存在しないということなんですが、12:30を「午前12時30分」という言い方よりは、「午後0時30分」という言い方のほうが誤解が少なく使っても良いようです
なんとも紛らわしくて、頭痛がしますが、「昼」とか「夜」とかの注釈をいれるのが一番でしょうね
ところで、この明治5年11月9日 太政官達 第337号の時刻表を見ると、現代でも使われている昼12時を指す「正午」は‘正に牛刻’であることを意味し、そして午前は「午刻の前」、午後は「午刻の後」ということを指した言葉であることがよく解りますね。
さらに、もう使われることは殆ど無い、夜の12時を指す「正子(しょうし)」も’正に子の刻’という古称から来ていることも判りました。
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コメント
それはまか不思議な?
私なら、午前なら0時。または午前0時。
午後なら12時。または午後12時ですね。
投稿: もうぞう | 2016年3月 1日 (火曜日) 19:16
もうぞうさんへ
0時と12時が同じでも、同じじゃないというところが、感じ方に個人差が出るんでしょうね
投稿: 玉井人ひろた | 2016年3月 1日 (火曜日) 19:21
正午というのは、昼間だけを指すようですが、どうして午(ウマ)なのかがわかりません。
投稿: ましま | 2016年3月 2日 (水曜日) 13:05
ましまさんへ
単純に十二支の順番が7番目だからではないでしょうか?
投稿: 玉井人ひろた | 2016年3月 2日 (水曜日) 14:09