二の舞・・・酷似したキャッチフレーズ
安倍晋三首相は5日、福島県楢葉町に視察に訪れたさいに記者団の質問に答え「福島県を水素エネルギーを供給する一大生産地」とするという方針を話しました。
その具体内容には
- 官民協力し「福島新エネ社会構想実現会議」を今月中に新設する
- 東京五輪までに福島県内で燃料電池車1万台の年間使用量に相当する水素の生産拠点とする
- 水素エネは、走行時に二酸化炭素(CO2)を出さないため環境に良い
- 生産拠点化が進めば、燃料電池車を含む自動車関連産業の集積も期待される
つまり、「新エネルギーの拠点」、「環境に良い」、「安全でクリーンエネルギー」、「産業が増え、雇用が増える」というもの・・・
これって、福島第一原発建設の時に政府が言ったのとほとんど同じ内容です。
ですから、私としては、安倍総理の言葉に「水素エネルギーは本当に安全なの?」という猜疑心を抱いたのは自然な流れでしょう。
安倍総理が語ったことによると、その水素生産の方法は「電気分解」だそうですが、ある専門家の談によれば・・・
- 水素は、生産段階で大量の二酸化炭素を出す
- 水素の安定貯蔵と、運搬する技術というのは未だ確立をみていない
- 水素は無臭のため漏れた場合は気づきにくい
- 水素をLNGのように液化する技術が難しので、まだ安全性に疑問が有る
- 生産には大量の電力が必要なため、現状では原発再稼働が必要となる。
これでは、また、「不安材料が有る新エネルギーを福島県に持ってくるのか?」と思います。
だいたいあの震災でぶっ壊れた東京電力福島第一原発は‘水素爆発’でしたよね。
そして、核爆弾の一つ「水爆(水素爆弾)」とは↓
原子爆弾を起爆装置として、水素の同位体である重水素、三重水素(トリチウム)の核融合反応を誘発し巨大なエネルギーを取り出す爆弾。
ですよ。
安倍総理が言う「福島県を水素エネルギーを供給する一大生産地」とは、原発事故の二の舞に進んでいるのでは?
それとも「水素生産には大量電力」を理由に、福島県内の電気を賄う東北電力女川原発の再稼働、そして東京電力福島第2原発の再稼働をしやすくするための 布石?
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コメント
非常に軽い水素は、地上に滞留するプロパンガスやガス中毒をおこす都市ガスより安全だと思います。
水素ガス爆発は、福一の原発建屋の天井に漏れたガスが滞留爆発したことと、飛行船ツェッペリン号の爆発が有名ですが、爆発そのもので人は死んでいません。
ただし水素爆弾は核融合反応ですからノーサンキュウです。
投稿: ましま | 2016年3月 9日 (水曜日) 16:50
ましまさんへ
仰る通り、水素はガスになってからの危険性より、作る段階と、特に液化するときの危険性が高いようです。
投稿: 玉井人ひろた | 2016年3月 9日 (水曜日) 18:01
そこなんですよ。
長所ばかりを並べますが、短所は言わないですからね。
評論家やアナリストなども裏側からの意見をどんどん言って欲しいと思います。
でもそうなると、政府批判が横行するので、言えなくなってしまうかな?
投稿: もうぞう | 2016年3月 9日 (水曜日) 19:51
もうぞうさんへ
そこまで言える、取材力が今のマスコミには欠如しているのでしょう。
それに比べ、芸能スキャンダルの取材は激しいですね
投稿: 玉井人ひろた | 2016年3月 9日 (水曜日) 20:38