日本の三大毒ヘビ
夏になると出てくるのがヘビですね。ヘビは、ネズミなどを食べるので農家にとってはある意味において益獣でもあるのですが、よけいな物も捕食したり、特に毒ヘビは厄介で危険です。
現在まで日本国内(陸上)で生息が確認されている毒ヘビは↓の5種類だそうです。
- マムシ ⇒ クサリヘビ科(マムシ属)、出血毒と神経毒
- ハブ ⇒ クサリヘビ科(ハブ属)、出血毒
- ヤマカガシ⇒ユウダ科(ヤマカガシ属)、出血毒
- ハイ ⇒ コブラ科(ワモンベニヘビ属)、神経毒
- ヒャン ⇒ コブラ科(ワモンベニヘビ属)、神経毒
その中でも「マムシ」、「ハブ」、「ヤマカガシ」は「日本三大毒蛇」とされています。
「ハイ」と「ヒャン」の2種類は、「コブラ」の仲間でありこの中で最も毒性が強いのですが、生息しているのが共に南西諸島(ハイ=沖縄諸島が主で、ヒャン=奄美大島など)の一部の島という狭い範囲で、さらに体も小さく(30-56cm)‘おとなしい’性質で被害も無く、危険とされていないからだそうです。
ですから、それにならって「日本三大毒蛇」のいろいろな角度の、それぞれをランキングしてみました。
<毒性の強さ>
- ヤマカガシ⇒ 3倍
- マムシ ⇒ 1
- ハ ブ ⇒ 3分の1倍
※、毒性の計測は「LD50」というもので計測され、具体的な数値も出されていますが、マムシの強さを‘1’として、それの何倍というふうに表わすのが最も分かりやすいようなので、私もそれにしました。
(半数致死量(LD50)とは、実験動物に毒物を投与したとき、その‘半数が死亡する’体重1kgあたりの用量(mg)をいい、単位は「mg/kg」。)『それぞれの毒の特徴』
- ヤマカガシ
出血毒であるが、マムシ毒などとは違い、止血機能を阻害する作用がある。激しい痛みや腫れはあまり起こらないが、腎不全などを起し死に至る、国内で最も強い毒性がある。- マムシ
出血毒と神経毒の両方を併せ持ち咬まれると激痛と腫れが起る- ハ ブ
出血毒を大量に注入する。咬まれるとマムシと同様に激痛と腫れがおこる
<被害件数>
- マムシ(年間3000件、死者数でも他を圧倒する)
- ハブ
- ヤマカガシ(めったに被害が無いので、近年まで毒ヘビと認識されていなかった)
<生息範囲(個体数)>
- マムシ ⇒日本全国に生息
- ヤマカガシ⇒ほぼ全国に生息するが、北海道と南西諸島(沖縄や奄美)には居ない。
- ハブ ⇒沖縄など南西諸島のみ。
<個体の長さ>
- ハ ブ
- ヤマカガシ
- マムシ
※但し、太さは、マムシが2位<一度に出される毒の量>
- ハブ (マムシの2~3倍と他を圧倒する)
- マムシ
- ヤマカガシ
総評をすれば、やはり何と言っても危険なのは「マムシ」のようです。
わたしは、なんどもマムシに遭遇しているので、よく解りますが、行動も日中、それほど大きくないので道路に居ても見つけるのも遅れますし、ギリギリ傍に行ってもマムシは逃げないから危険なのです。
意外だったのはハブの毒の強さでしょう。ハブは、毒の強さより個体の大きさからくるその毒の量の多さが危険のようです。
今回判ったことですが、北海道には5種類の毒ヘビの内でマムシだけしか生息しないわけですね。安全地帯?
なぜなんでしょう?
ちなみに、我が地域でのマムシの呼び名は「クソヘビ」、ヤマカガシのことは「ヤマガジ」と言います。
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コメント
へ~
言われてみれば、納得です。
山では、マムシに注意が必要ですね。
ヤマカガシの生息数は少ないのでしょうか?
投稿: もうぞう | 2016年5月 9日 18:04
もうぞうさんへ
マムシと同じく、ほぼ全国に生息するようです。
投稿: 玉井人ひろた | 2016年5月 9日 19:01
先月、沖縄在住の孫が来たので、辺野古のあたりにはハブがでないのか、と聞いたら、国道には出てこないと笑ってました。
最近は、基地移転反対運動のスピーカーの音量の方が地元住民に公害扱いされているようです。
投稿: ましま | 2016年5月10日 09:56
マムシは鳥観測をするものにとってはイヤですね。これからの季節、気をつけないと。
投稿: 吉田かっちゃん | 2016年5月10日 10:40
ましまさんへ
ハブは生息域が減っているのかもしれませんね
吉田かっちゃんへ
ジッとカメラを構えているときに足元に居られたらゾッとしますよね
投稿: 玉井人ひろた | 2016年5月10日 12:08