にゅうばい
質問> あなたの地域では「梅雨(つゆ)」のことを何と言いますか?
私の答えは↓です
- わたしは普通に「梅雨(つゆ)」ですが、母親や、70代以上の多くは「にゅうばい(入梅)」と言うのが一般的です。
ネットで検索したところ、東京や神奈川でも昔は梅雨(つゆ)と言わずに「にゅうばい」と言っていたとの記載を見つけました。
私が所持する「大辞林」と「日本語大辞典」には「入梅」について↓のような解説が記載されていました。
<にゅうばい(入梅)>
- 雑節の一。太陽黄経が80度に達した時。暦の上で梅雨期に入る日で、6月11日頃。また、梅雨の季節になること。つゆいり。
- 梅雨期を表す、東日本(関東や東北)などでの言い方。
つまり、元々は関東や我が地域では「つゆ」という言い方は稀だったか、無かったか、だったようです。
では、「つゆ(梅雨・黴雨)」というのは、どこの言い方だったのか?
日本の言語学者・国語学者に『徳川 宗賢(とくがわ むねまさ、1930年11月27日 - 1999年6月6日)』と言う方がおられ、その方が調べた日本の方言地図によると『梅雨』の地域別の呼称分布は次のようになっているようです。
- 「にゅうばい」地区
北海道、青森県、秋田県、宮城県、山形県内陸、福島県大部分、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、山梨県、長野県、静岡県、愛知県の大部分、岐阜県の一部 - 「つゆ」地区
北海道、山形県沿岸、新潟県下越、富山県西半、石川県、福井県大部分、滋賀県、三重県北中部、奈良県、和歌山県北半、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、鳥取県、島根県、広島県、山口県、香川県沿岸、愛媛県沿岸、福岡県、佐賀県玄海側、大分県大部分、熊本県一部 - 「さずい」の地区
新潟県中越上越、富山県東半 - 「ついり」の地区
岐阜県大部分、愛知県一部、静岡県一部、福井県山間部、三重県南部、和歌山県南部 - 「ながめ(ながあめ)の地区
岩手県に多く分布、福島県浜通にいくつか、奄美、沖縄本島、八重山(宮古島ではツユ) - 「ながし・ながせ」の地区
徳島県、高知県、香川県南部、愛媛県南部、大分県一部、宮崎県、鹿児島県、長崎県、熊本県大部分、佐賀県有明海側 - 「はえ」の地区
三重県志摩地方 - 「ながしげ」の地区
岩手県に多く分布、福島県・群馬県・長野県にもナガジケの回答あり - 「ずり」の地区
北海道の道南にいくつか在り
↑のことから、「梅雨(つゆ)」という言い方は、越後~越前、そして京都・大阪を中心とする地域から九州北部に分布する言葉のようです。
ということは「つゆ」は関西地方の方言が語源となるのでしょうか?
各地域の言葉はテレビの普及とともに統一されたのでしょうが、梅雨の言い方も昔はもっともっと在ったんでしょうね。
さて、今年の梅雨明け(=出梅)」はいつでしょうね。
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コメント
( ̄▽ ̄)ほほ~う!
色々な呼び方があるんですねぇ!
北海道はわざわざ蝦夷梅雨とは言わないけど
お天気お姉さんは時々使うかのしんねぇな?
こないだの帰省から福島弁が抜けず困るべさ!
何とか北海道弁に戻そうと頑張ってるとこしょやぁ~
( ´艸`)プププ
投稿: Pee | 2016年6月28日 (火曜日) 07:20
「つゆ」は「露」から来たのでしょうか?。「梅雨」ではバイウと読めてもツユは相当無理すじです。「一寸」と書いてチョットとよむが如しでしょうか?
投稿: ましま | 2016年6月28日 (火曜日) 09:44
Peeさんへ
北海道は、文字通り複数の県が集まった道州制の場所、つまり移住者ばかりですから、言葉はいろいろ在るようです
ましまさんへ
「つゆ」はそうなんでしょうね、「梅雨」の漢字はもう一つの「つゆ」の漢字「黴雨」、それの本来の読み方「ばいう」から来たという説があるようです
投稿: 玉井人ひろた | 2016年6月28日 (火曜日) 10:36
私の故郷、喜界島では「ながし」と言っていたのを覚えています。50年程前の話ですけどね。今はどうなんでしょう。
投稿: 吉田かっちゃん | 2016年6月28日 (火曜日) 12:51
新潟市は下越地方ですが、三条では中越地方になります。
ま~境界付近では、ハッキリとはしないと思いますが、「さずい」とは、初めて聞きました。
投稿: もうぞう | 2016年6月28日 (火曜日) 19:40
吉田かっちゃんへ
やはり昔にはそう言う言い方が在ったんですね。
もうぞうさんへ
この分布表はそうとう古い方言の分布のようですよ。わたしも、福島県の「ながしげ」などと言うのも初めて知りました
投稿: 玉井人ひろた | 2016年6月28日 (火曜日) 20:32