心ある中国ジャーナリストの憂い
神奈川県相模原市の障害者施設で26日未明、施設利用者らが次々と刺されて19人が死亡するというショッキングな事件が発生したことの続報は未だ続いていますが、これに関した中国のメディア・東方網の日本語版に記載された、26日付の論説にいたく感心してしまいました。
事件は、中国国内でもリアルタイムで報道されたことは以前にも紹介しましたが、この事件に対し中国の一部のネットユーザーから次のような投稿があったんだそうです。
- (日本人が)殺されたことについての「祝電」
- 「(日本人が)犠牲者が少なすぎる」
- 「ざまあみろ」
と言った、心無い中国人からの声に対して、東方網の記者が記事にした論説の内容でした。
その論説のタイトルは↓
「‘日本の福祉施設襲撃’を喜ぶことが『愛国』だと言うのか?」
と言うものでした。
文章の内容は、だいたい以下のようなもの
今回の事件の情報に触れた中国国内の人びとの多くが罪を憎み、犠牲者に対する憐みの気持ちを抱いたはずだ
生命は最も尊重されるべきものであり、理由もなく他人の生命を傷つける行為が責められるのは全人類に共通する道徳の最低ラインである。
にもかかわらず、(中国国内の)ネット上では、「愛国」を振りかざして祝電や「ざまあみろ」とする言論の投稿、そして、日本の犠牲者に哀悼を示す人びとを「売国奴」扱いする内容まで見られた。
このような道徳の最低ラインすら守れない奴を、どうして『人』と呼べようか?
いつからわれわれの『愛国』は(殺人者)悪人を応援することによって表現されるようになったのか?
日中両国には歴史的な恩や恨みが存在し、今もなお食い違いがある。
しかし、その事が、われわれが人類の持つべき最低限の良知を捨てる理由や言い訳にはならない。このような一部の人間の行為が、中国人全体のイメージを悪くし、民度が低いという印象を抱かせる大きな要因となっていることを、当事者たちは認識すべきだ。
もうこれ以上、『愛国』の旗印で『愛国』の2文字を汚してはならない
内容は理路整然としているが、これは論説と言うより‘悲痛な嘆き悲しみ’を訴えるものだと思います。
中国国内にはこう言う方が、ものすごくいますこと、それは日本の人口より多いかもしれません。
日本人、そして日本国内マスメディアも「中国は××だ」と頭から貶すだけでは、この心無い人々と同じレベルになってしまいますこと、肝に銘じるべきでしょう。
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コメント
そうですよね。このような立派なジャーナリストも
当然沢山いるとは思いますが、日本も同じかな。
政府=権力のやることといったら民主主義とは
正反対の事も多い。
トルコも・・・。
投稿: あね | 2016年7月29日 (金曜日) 19:59
あねさんへ
仰る通りだと思います
投稿: 玉井人ひろた | 2016年7月30日 (土曜日) 08:02