耐震化率‘ワースト’の福島県
先月の7月26日、文部科学省が全国の公立学校の校舎や体育館などの耐震改修状況調査結果を発表しました。
それによりますと、平成28年(2016)4月1日現在の福島県内の公立小中学校の耐震化率は90.3%で、全国平均の98.1%を7.8ポイントも下回り、全国47都道府県の中では46位だったことが発表されました。つまり、最下位(ワースト1位)から数えて2番目にあたるわけです。
詳しく言えば、全2038棟のうち198棟が未改修なんだそうです。
そして、その未回収の校舎の中でも震度6強以上で倒壊する危険性が高いのは55棟も存在し、これは全国最多なんだそうです。
これは前年に続き同じ順位だそうですが、あの東日本大震災をもろに受けた県として、この遅れは驚きとしか言えません。どうなっているのでしょう?
市町村別で未改修の棟数が最も多いのは福島市(耐震化率73.2%)で全国でワースト5位、次いでいわき市(92.7%)、郡山市(94.2%)が続いているようで、この県内の3市の回収率の低さが福島県全体の順位を下げる結果となったようです。
福島県内に置いて、このように耐震化工事が進まない理由として、県や県の教育委員会では、次のような見解を出しています。
- 県内市町村の多くは平成23年(2011)以降、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴う緊急性の高い復旧工事や除染作業などを優先させる傾向が続いてきたため、耐震化工事を請け負う業者の人材不足も対応の遅れにつながっている
- 福島市は、校舎の老朽化に伴い耐震化だけでなく大規模な改築工事が必要な建物が多いため、完了の見通しが立っていないという現状が影響。
回収率が低かった福島市、郡山市、いわき市は戦後合併や産業の発達などで県内でも最も人口急増し、それに合わせて多くの学校も建設され、校舎の数、その古さもトップです。
しかしながら、福島県内では原発事故のため行政は「除染作業」のほうが優先となり、それに合わせ建設業界も人員を耐震化は後回しとなったことは、どうしようもないことです。
福島県には震災の津波による被害者の捜索は、原発問題で半年近く遅れました。
耐震化の遅れもやはり「原発事故」が根源のようです。いつまでも、これに振り回される運命となっていしまったようです。
政府は27年度(2015~2016)で耐震化費用の国庫補助率のかさ上げ措置を打ち切る予定だったそうですが、福島県や市町村の要望を受け、32年度(2020~2021)まで延長することを決めました。
しかし、福島県内では未だに除染作業も終わっていない現状で予定通りいくのでしょうか?
疑問です。
(※各自治体は震度6強で倒壊する危険性が高い建物の工事費用の最大3分の2まで補助を受けられる)
| 固定リンク | 0
コメント
福島県はたしかに条件が悪いですね。
過疎地では、
耐震化 終了したら 廃校か?
なんてこともあり得ますしね。
投稿: もうぞう | 2016年8月 3日 (水曜日) 07:17
もうぞうさんへ
それが、過疎地域のほうが早く終了しているのです
投稿: 玉井人ひろた | 2016年8月 4日 (木曜日) 07:49