哀悼の誠
今年も8月15日に「全国戦没者追悼式」が行われ、安倍総理からは式辞がありましたが、その内容は昨年の平成28年(2015)の式辞とほぼ同じ、というよりまるで‘コピペ’文章でした。
そこでも、使われましたが「哀悼の誠」という言葉、「遺憾の意」という言い方と同じく、わたしにはなんとも耳障りな言葉なのです。
「哀悼の誠」という造語を最初に使ったのは「小泉総理」だそうですが、それ以来閣僚や国会議員を中心に、常用の言葉となりました。
これは、もともと日本語には無い言い方だったので、意味も確定したものはまだ無いようですが、世界に知らせるのには英訳する必要が有ります。
さて、英語ではどうするのだろうと外務省などのHPを視ましたら、有りました
昨年の安倍総理の式辞の中で「哀悼の誠」が入った部分の英訳です。
戦後七十年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。
【On the 70th anniversary of the end of the war, I bow my head deeply before the souls of all those who perished both at home and abroad.
I express my feelings of profound grief and my eternal, sincere condolences.】
↑の英訳では、最後の部分「sincere condolences」が英訳での「哀悼の誠」を指すようです。
英語が苦手な私ですが、これを逆に和訳すると・・・
- 偽りのない、心からの慰めの言葉
- 誠実な弔辞
↑のような感じでしょうかね
日本では、改まった場や、自分が偉いと思っている人々は「文語」で挨拶や話をするのが慣例となっていますが、もうそろそろ考え直してもいいのではないでしょうかね。
特に政治家や権力者が使うと、その言葉に‘誠が感じられず’、どちらかと言うと嘘くさい印象を抱いてしまう私の様な日本人は、少なくないと思います(?)
全国戦没者追悼式とは先の太平洋戦争(大東亜戦争)において戦死した兵士と共に、焼夷弾による空爆で亡くなった一般人、そして広島・長崎の原爆で亡くなった人々も追悼する式典ですよね。
それなのに、安倍総理からも天皇からも一般人の犠牲に対する文言が無かったのは、政治的意図(対米意識)なのでしょうか?
その真相は不明ですが、式の意味合いからすれば変ですよね。
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コメント
日本語のスピーチを文章にする場合でも、難しい文言は、困るでしょうね。
それなりに教養の深い人でないと当てはまる漢字が分かりませんから。
日本語は特に同音異義語が多いですからね。
投稿: もうぞう | 2016年8月18日 19:06
もうぞうさんへ
日本人が英訳した場合と、外国人が英訳した場合での違いが気になりませんか
投稿: 玉井人ひろた | 2016年8月18日 19:57
それは分かりませんけど、「和製英語」って、イヤですね。
投稿: もうぞう | 2016年8月19日 19:18
もうぞうさんへ
なんといっても、和製英語は国内はもちろん国外でも理解しにくい言葉ですからね。
投稿: 玉井人ひろた | 2016年8月19日 21:37