奄美群島・・・島民たちの名字
統計によりますと、世界で1番多い名字は「李(リー)」(広東語発音は「レイ」)なんだそうです。
次いで、2番目も「王(ワン)」という中国名になっているんだそうです。
それはひとまず置いときまして、数日前の記事に頂いた「吉田かっちゃん」のコメントに↓
私の父の代の頃、一字姓がどうこうというのがあったそうです。
前の姓が「吉」でそれを「二字姓に変えろ!」という役場からの命令があり、「吉田」に変更したところ、役場の人が勝手に二字姓にしてあり結局は・・・
https://iwasironokuni.cocolog-nifty.com/komiti/2016/09/post-6f85.html
と言うのがありました。
わたしは初めて聞いた話なので気になってそう言う史実があったのかどうか?あちこちネサーチしていたら・・・見つけたんです。
実は、吉田かっちゃんは奄美群島の一つである喜界島出身の方なのですが、その奄美群島を舞台に幕末から明治にかけて日本(薩摩藩=鹿児島県)が行った、島の人々に対してとった差別の歴史があったのです。
奄美群島というのは、現在は鹿児島県の市町村の一部になっていますが、古代から独立した国家を呈し、大和朝廷に貢物などを献上していた歴史が在るそうです。
その後、南にある琉球王国によって統治され「北琉球」の名も出来上がったが、江戸時代に幕府から命を受けた薩摩藩が琉球を占領したことによって、奄美は薩摩藩の一部となりました。
薩摩藩は鹿児島県と改められ、奄美群島は太平洋戦争後に一時アメリカの統治下にはいったが、すぐに変換され鹿児島県に戻されて現在に至るという激変の歴史が有ります。
幕末に、薩摩藩は本土と奄美の島民とを区別するため、島民全員の名字を一文字に統一するという、いわば差別政策を行います。
これによって二文字名字の人も「山元→元」、「伊集院→伊」などのように改称させられたそうです。
ところが、明治期に出された『平民苗字必称義務令』により全ての国民が名字を名乗る様になると、奄美群島では多くの者が馴染みのある一文字を、また本来の二文字や三文字の家はそれを復姓するようになります。
このときの役所の混乱が「吉田かっちゃん」が記憶する名字の問題だと思います。
侵略したり、名前を変えさせたり、人権無視の行動の歴史がここにもあったんですね。
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コメント
その昔中国または朝鮮半島の出身と思しき姓は多いですね。特にスポーツ選手。
張本・金田・白井・錦織・村主・駒井・萱森・服部さんなどそうかな?
投稿: ましま | 2016年9月23日 21:06
ましまさんへ
張本(張=チャン)、金田(金=キム)はその通りだと思います。
村主、は律令制度の姓、つまり『職名』だったと記憶しています。
投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月24日 08:06
中国・韓国の「李」姓は、かつて日本では放送などすべて「リ」と読みました。それが最近、朝鮮姓は、李=イ、金=キム(金正恩=キムジョンウン)、朴=パク(朴槿恵=パククネ)に変わっています。
ところが、中国人は毛沢東はモウタクトウと日本読みでマオツートンとは言いません。胡錦濤、習近平いずれも日本読みです。
これは、朝鮮が漢字を全廃し音標文字ハングルだけにしたことに配慮しているのでしょう。
一方中国は、日本人の姓名を漢字の中国読みで通用させているので、日本も対抗上?そうしているのでしょうか。
投稿: ましま | 2016年9月24日 09:50
追而 なお、村主さんは日本語でスグリさんとは読めません。韓国南岸で使われ、九州北西部に普及した名称だと思います。
投稿: ましま | 2016年9月24日 10:45
ましまさんへ
村主は古代の姓(かばね)の一つであることは、覚えていたんですが、少し違っていました(
)
日本では朝鮮半島などからの渡来人の集団の長へ付けた称号として使われたものだったようですね。
つまり、仰る通り、それを名字にしているのは百済などの朝鮮半島の移民と言うことですね。
投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月24日 15:15
ましまさんへ
韓国人名と中国人への読み方の違いは、非常におもしろいので、24日の記事の題材に頂きました。m(_ _)m
投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月24日 15:18
錦織・・・という地名は天智天皇陵のすぐ近くがたしか・・・そうでした。
投稿: 山口ももり | 2016年9月27日 08:46
山口ももりさんへ
古代の移民との関係が有るのかもしれませんね
投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月27日 09:05