100日ルール
今月行われたアメリカ大統領選挙で、トランプ氏が当選したことは大きな話題となっていますが、まだどうなるか判らないので、アメリカ大統領についての別の話しをしてみたくなりました。
さて、この結果によって、次のような問いがネット上で増えています。
- 2009年から2期8年間務めた第44代アメリカ大統領のオバマ氏の任期はいつまででしょうか?
- 当選したトランプ氏は、第45代アメリカ大統領として任期が開始されるのは、いつからでしょうか?
この問いに答えられる人はどのくらいいるでしょう?
テレビでは、もうすでにトランプ氏は大統領として行動しているかの様子だけは報道していますが、オバマ現大統領を含め、任期などのことはほとんどやっていない気がします。
1の答え>オバマ現大統領の任期の終了日は‘2017年1月20日’
2の答え>トランプ新大統領の任期の開始日は‘2017年1月20日’(~2021年1月20日までの4年間)
答えを見れば「あれ!同じ日、重なるの?」ですよね。ここがアメリカの制度の面白いところなんです。
アメリカでは、1937年(昭和12年)以降から大統領就任について現在のようになったんだそうですが、その内容はこうです↓
- アメリカ合衆国憲法修正第20条により、11月の大統領選挙一般投票翌年の1月20日のアメリカ東部標準時:正午より新大統領の任期は開始される。
そしてその日に新大統領がおこなうこと↓
- 合衆国憲法第2条第1節8項により、アメリカ合衆国大統領はその職務を執行する前に↓という宣誓(または確約)をする義務を遂行する。
『私は合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽して合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う(もしくは確約する)。 』
つまり、オバマ大統領の任期は来年の1月20日の‘午前’までで、同日の午後からはトランプ新大統領の任期が始まるというわけです。ですから、任期は重ならないことになります。
同じ日の正午を挟んで午前と午後にしたアメリカ人の考え、日本人から見ると実に面白いと思います。
もっと面白いのは、アメリカの新大統領には“100日ルール”という慣例があることです。
これは、新米大統領が就任後最初の100日間で、国民が新政権への評価を下す慣習なのです。
なぜ100日間なのかは、諸説あるようですが、‘フランクリン・ルーズベルトが1933年(昭和8年)に招集した特別議会が100日間続いたことから使われるようになったとされるのが、最も有力な説のようです。
そしてさらに、トランプ氏は任期が始まる1月20日まで、そして100日、合計で約5~6か月の間にオバマ前大統領と頻繁に連絡相談を行い引き継ぎを進めることが重要な仕事になるんだそうです。
アメリカでもこれらのルールや前大統領を軽んじてちゃんと引き継ぎ相談をしなかった大統領も居たそうです。
それはケネディー大統領なんですが、そのことで後に大失敗を犯し、就任して2年後くらいになって前大統領との引き継ぎをし直す羽目になったという判例があるようです。
政権交代にこれだけ時間と日数をかける仕組み、これは日本でも見習っていいんじゃないでしょうか。
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コメント
日本で引き継ぎをしなかった例。
「学べば学につけ……」鳩山元首相
投稿: ましま | 2016年11月12日 (土曜日) 11:19
ましまさんへ
なんにも引き継ぎをしなかったというより、そういう規定も無いから自公政権が協力しなかった(妨害に回った)というのが本来でしょうね。
投稿: 玉井人ひろた | 2016年11月12日 (土曜日) 11:38