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2017年1月26日 (木曜日)

‘生前退位’・・‘譲位’・・どっちが正しい?

あるサイトで↓

「現在メディアで使われている『生前退位』は、正しくは『生前譲位』(せいぜんじょうい)というもので・・・云々」

 

というのを目にしたのです。但し、昔から「天皇譲位」と言われてきたらしく、「生前譲位」の言い方も正しくはないようです。

昨年の皇后陛下誕生日になる2016年10月20日に、皇后陛下ご自身が宮内庁を通じて発表したお誕生日の談話に「生前退位」という報道についてのお言葉があったのを知っていたでしょうか?

皇后陛下の誕生日の談話より>

「新聞の一面に(陛下の)『生前退位』という大きな活字を見た時の(わたくしの)衝撃は大きなものでした。」

「それまでわたくしは、歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません。」

皇后陛下は特に「生前」という言葉に「死」をイメージするとしてショックを受けたとも伝えられています。

実は、昨年の天皇陛下がテレビで思いを伝える前に、その意向を関係者に示されたときに「退位」と言うお言葉無く、「譲位」という言葉しか使用されなかったことが判っているのです。

ですから、事前に知っていたはずの皇后陛下が報道を視たときの驚きと違和感を持ったことはわたしのような一般人でも理解できます。

 

 

さらに、宮内庁関係者からは「天皇陛下は“生前退位”という言葉を使われたことはない」という指摘もあったようです。

 

この皇后陛下の談話を受け、日本報道検証機構は各新聞社などに「生前退位」という言葉を使用した経緯や今後の対応などの調査を行うなど、国内マスメディアはちょっとした騒ぎになったようなのです。

 

この皇后陛下の談話を受け、朝日新聞と産経新聞は即座に「生前譲位」に変えたらしいですが、他はNHKを含め「生前退位」のままですよね。

 

「生前退位」の使用を続行するマスメディアの理由について、日本報道検証機構が調査したことをまとめると概ね次のような解答のようです。

 

    1. 天皇陛下が存命中に位を譲ることは明治以降の歴史では例がないことから、意味をより分かりやすくするため『生前退位』との表現を使用。(毎日など)

 

  1. 国会の答弁等でも『生前退位』『退位』という言葉が使われており、視聴者に意味が伝わりやすいよう、この表現を使用。(NHKなど)

 

つまりは、政府(安倍政権)が「生前退位」ということばを使用しているので、そのまま使用しているということでしょう。

 

広辞苑よると

 

    • 譲位(じょうい)→君主が位を譲ること。譲国。

 

    • 退位(たいい) →帝王が位を退くこと。

 

 

↑という意味になりほぼ同じなのですが、「譲位」の場合は「君主」を指すので現行法で天皇は君主でも元首でもないので「譲位」は適切ではないという現政府の判断なのかもしれません。

 

それよりも、改憲を声高に主張している安倍政権が、こと天皇の事に関しては「憲法に違反するので、特別法で対応」とか論じて‘護憲派’に転じていることのほうが、非常におもしろいです。

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コメント

有識者会議のまとめを全文見たのですが同一意見とされた中でも矛盾だらけで、50代2人、60代3人、代表だけが80台で70代は一人もいない。

天皇の気持ちがわかる人など居なさそうです。

投稿: ましま | 2017年1月27日 (金曜日) 09:43

ましまさんへ

有識者会議というのが、総理が選定するものと、対比できるもう一つ別のが在るといいですよね。

投稿: 玉井人ひろた | 2017年1月27日 (金曜日) 11:52

日本語って面倒ですね。
個人的には退位で良いと思いますが。

投稿: もうぞう | 2017年1月27日 (金曜日) 19:14

もうぞうさんへ

それでいいと思います

投稿: 玉井人ひろた | 2017年1月28日 (土曜日) 18:27

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