国有地、競売にならなかった理由
森友学園による豊中市野田町の約8770平方メートルの国有地買い取り問題では、私だけが聞いていないのかもしれませんが国会の質問でも、テレビ報道でも、説明されていないことがあります。
国有財産の売却の原則、3つ
<財務局HPより>
- 単独利用可能な未利用財産の売却
>公用・公共用として具体的な利用計画が無い土地は、原則として「一般競争入札」。 - 権利が付着した財産の売却
>賃借権等の権利が付着した土地は、当該権利者に直接売却することが可能。 - 単独利用できない財産の売却
>使用され無くなった里道・水路等や畦畔・脱落地等で単独利用できない土地は、隣接土地所有者に直接売却が可能。
ここで、私の疑問は「なぜ、森友学園は競売をせずに買い取れたか?」です。
その疑問は、同学園の土地取得までの経緯を知って分りました。
<“安倍記念小学校”の土地取得までの経緯>
- 2013年9月・・公募に応じた森友学園は、小学校用地として土地の取得を希望。
- 同学園からは建設費用などもあり、資金不足(資産約4億)を理由に購入ではなく借地にしたいとの要望がでる。
- 2015年5月・・財務局は森友学園と10年間の定期借地契約と期間内の売買予約契約を締結
- 2015年7月〜12月・・森友学園が全域の深さ3メートルの地下までから、汚染土1090トンを除去。これにより、汚染区域の指定が解除
- 2016年4月・・森友学園は除去にかかった費用として1億3176万円を大阪航空局から受領。
- その後、学園側は「地下にさらに大量のごみがある」と報告。同時に、一転して土地購入を希望
- 2016年6月・・財務局は、鑑定価格9億5600万円からごみ撤去費として見積もた8億1900万円などを差し引いた1億3400万円で売却。
※学園からの希望により、財務局はこれらの売却価格を非公開とし、「国有財産近畿地方審議会」にも報告はされなかった。
競売にかけられなかった理由・・
それは、まず最初に借地契約を結んで“単独で買える権利”を先に取得していたからなのです。
ただ、森友学園への国有地払い下げを協議した2015年2月10日の第123回国有財産近畿地方審議会の議事録によると、買取が原則の国有地なのに借地契約こと、さらに学園の資金力不足などから、契約に対し審議員がかなり反発したことが記載されているようです。
さらに、10年後くらい買い取りとなった場合は‘時価’で買い取ることが、確認されたということのようです。
言えるのは、財務局のお役人は契約決定について異常な焦りが見えたことは事実で、ここに何かが有ったのでしょうね。
一番笑ってしまうのは、(まずいと思って)国有地の売却価格を非公開にしたことによって、公開訴訟を起こされ、この問題が発覚してしまったという、なんとも皮肉な結果でしょう。
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コメント
国会討論を聞いていましたが、不法でなくても不正であることがはっきりしています。
役人が首相の意に添うようにするため大変な仕事をしていることがわかりました。
しかし、少数野党ではとても首が取れません。
投稿: ましま | 2017年2月24日 17:47
ましまさんへ
なさけない野党ですが、少しは討論になっている気もします
投稿: 玉井人ひろた | 2017年2月24日 18:26
なるほどねぇ、経過がよくわかりました。
でも、どうしてここに安倍さんが
からんできたのでしょう?
奥さんの名前まで使って・・。
そりゃ、ネームバリューはあるけど、
接点があるからこそ安倍晋三小学校
とまで考えたのでしょう。
投稿: あね | 2017年2月24日 21:55
あねさんへ
テレビでもやっていたので、分ったかもしれませんが、この学園の園長は、安倍総理の憲法改正を考える組織のメンバーで、いわば旧知の仲なのです
投稿: 玉井人ひろた | 2017年2月25日 08:01
みごとに調べ上げましたね。
こんな小学校にも入学希望者がいるのか?不思議でなりません。
投稿: もうぞう | 2017年2月25日 19:11
もうぞうさんへ
時代錯誤の典型ですが、どこの国にも同じ方々は居るようですね
投稿: 玉井人ひろた | 2017年2月25日 20:59