猫の岩合さんじゃなく、詩人の「和合さん」のこと
フランスには『ニュンク・レビュー・ポエトリー賞』というのが在るそうです。「ニュンク」はラテン語で「今、現代」の意があるそうで、要するに優れた現代文化芸術を表彰するというようなもののようです。
今年、この『ニュンク・レビュー・ポエトリー賞』に『外国語部門』というのが新たに創設さ、その第1回目の受賞者に福島市在住の詩人、和合亮一さん(48)の詩集「詩の礫(つぶて)」が受賞したことが、県内で大きな話題です。
選考にはフランスの詩人や劇作家や音楽家らなどが当たり、
- 「福島の原発災害という悲劇的な状況の中で湧き上がる詩的言語の奥深さと清さ」
- 「外に向けて発信し、状況を伝えて現実、歴史を証言する緊急性が、ツイッターという手段と相まっている」
↑のような点が評価されたようです。授賞式は7月フランスの文芸フェスティバルで行われます。
和合さんは、NHKの取材に対し、
「震災の直後から書いてきた言葉が海外の方々の手に渡り、福島のことを少しでも語り継いでいただく機会となれば幸いです」
という感想を出しました。
同じく、毎日新聞へは
「世界と福島とが、もっと直接に人と言葉でつながっていくさまざまな方法を探していきたいと思います」
※和合さんは毎日新聞の文化面に「詩の橋を渡って」というコラムを連載中。
というコメントが発表されているようです。
この詩集「詩の礫(つぶて)」は、2011年3月11日起きた東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故の6日目から地震や放射能への悲しみや怒り、それに福島の未来への希望について、必死にツイッターに書き続けたものの内の最初の1ヵ月分をまとめて徳間書店から出版されたものです。
その年の反響は大きく、福島県内の高校教諭だった和合さんは一躍時の人となり生活が一変した人物で、福島県ではよく知られた人物になり、復興イベントの多くに参加して、詩の朗読を行っています。
ただ、個人的な感想を言わせてもらえば・・・
和合さんの朗読は思いが強すぎて、その異様な迫力(威圧)に聞く方が引いてしまいます。なるべくプロの穏やかな口調で読んでもらった方が、内容が伝わる気がします。
ちなみに詩集は2016年(平成28年)から、フランス語版が刊行されているようで、今回の受賞もそれが要因の一つかもしれません。
私は和合さんの「詩ノ黙礼」というのを持っています。
少し紹介
・・・・春はやはり残酷なのかもしれない。
気仙沼の避難所、母を亡くした子が、「ママ、会えるといいですね」と帳面に落書きしたまま、眠っている。黙礼。涙。春はやはり残酷なのかもしれない。
牛が餓死している。三春の滝桜は、本年は、誰も見に来ないだろう。
黙礼。
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コメント
こんばんわ。
・「文章」を読んで。
この様な人物、はじめて知りました。
投稿: H.K | 2017年6月24日 (土曜日) 20:12
H.Kさんへ
まだ、知名度は低いですね
投稿: 玉井人ひろた | 2017年6月24日 (土曜日) 20:36
岩合光昭氏は、NHKのおかげで?すっかり有名人ですが、和合氏は知りませんでした。
投稿: もうぞう | 2017年6月25日 (日曜日) 05:42
もうぞうさんへ
東北での活動、その中心は福島県内での活動ですからね。知名度は低いと思います。
投稿: 玉井人ひろた | 2017年6月25日 (日曜日) 13:59