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2018年6月10日

面 布

BSフジで再放送されている池波正太郎時代小説「剣客商売」、主演は老剣客の秋山小兵衛演じる「藤田まこと」のシリーズです。
「藤田まこと」が他界してから「北大路欣也」もちょっとだけやりましたが、藤田まことには到底及ばない気がしました。

先日の話しは年老いて盲目になった老剣士が、闇討ちにきた武士らと戦い、最後には相打ちで死んでしまうという壮絶なストーリーでした。

そのラストに、秋山小兵衛が持っていた‘懐紙’を死んだ老剣士の遺体の顔の上に乗せるシーンがありました。

ごく当たり前の行為ですが、調べたらご遺体の顔に白い布をかけるというのは日本だけの習慣らしく、改めて「どうしてやるのか?名称は何?」と考えると全く知らずにやっていることに気が付きました。

まず、名称は?

  1. 打ち覆い
  2. 面布(めんぬの)
  3. 木綿(ゆ う)
  4. 白布(しろぬの、しろきれ)

複数の呼び名があるようですが、2番の「めんぬの」が正式だというのがありました。

さて、顔を覆う理由は?
日本では古代から死は悪霊の仕業といった考えかたがあり、遺体は穢(けがれ)不浄のものであり、同時に「畏れ」の対象でもあるという神道の考えが存在します。

そのことから、亡くなった人の口や鼻、耳などから悪い霊が入り込み悪さをするという考えがあり、それを最も高潔な色である「白」の布でそれを塞ぐといった意味があるようです。

葬儀の際に神棚に半紙を貼って覆うという風習も、それらの考え方に由来するようです。

明治のころまでは日本は中国と同じく‘喪服=白’だったのもそれが由来、つまりキーポイントは「白色」であることのようです。

ここで注意なんですが、2番の「面布」の読み方を「めん」と読んだ場合は、結婚式で新婦が顔にかける「ヴェール」のことになり、状況が180度変ってしまうことです。

日本語は難しい。

  • 礼拝(いはい)→仏教
  • 礼拝(いはい)→キリスト教

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コメント

難しいですよね。だから奥が深い?

投稿: 吉田かっちゃん | 2018年6月11日 15:28

吉田かっちゃんへ

世の流れ的には、難しい言葉=使わない、で消えていく気がします

投稿: 玉井人ひろた | 2018年6月11日 16:09

神棚は、喪中は単にお呼びでないから隠すと思っていましたが、どうやら違うのでしょうか?

投稿: もうぞう | 2018年6月11日 18:36

もうぞうさんへ

穢れを避ける、という意味のようです

投稿: 玉井人ひろた | 2018年6月11日 18:42

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