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2018年11月 6日

フグにあたった八兵衛さん、砂浜で・・・

水戸黄門の時代劇で一行が下関を訪れた場合、よく使われるストーリーが八兵衛さんが名物のフグを食べ、毒にあたって苦しむというシーンです。

一行は医者を呼ぼうとしますが、地元の女性のいいつけで八兵衛さんは浜辺に連れていかれ砂に首まで埋められ一晩おかれます。
すると、毒が抜けて治ってしまい、八兵衛さんは命拾いするというストーリーです。

この方法は昔からある民間療法を紹介するものだと思っていましたが、フグ毒に対するこのやり方は医学的にも理にかなった治療法らしいのです。

難しいことは説明できないですが、なんでも フグ毒で麻痺すると肋間筋が肋骨を引き上げ「シーソー呼吸」と呼ばれる状態になり呼吸が出来なくなって死に至るらしいのですが、それを砂に埋めることによって胸膈が動かないようにすると、横隔膜だけの動きで細々と膨らみ、なんとか呼吸出来てくるらしいのです。

つまり、通常の呼吸を強制的に腹式呼吸にすることで息ができることになり‘運が良ければ’治るらしいのです。

最後に「運」が付きますが、昔の人は凄いです。

ちなみにフグを食べられるのは日本だけ、世界では「フグ=食禁止」が常識です。

そしてもう一つのお決まり台詞が↓

「下関ではフグと言わず、“福”にかけて“ふく”と呼びます」

という講釈がでるところです。

これは今でもよく知られていることですが、実態は少し違うようです。

まず「ふく」と呼称する地域は、山口県下関市のみではなく、関門海峡をはさんだ向かい側の北九州市や福岡県の一部でも全く同じ理由で「ふく」と呼称することを売りにしているそうです。

この「ふく」と言い方、昔はこの地域だけじゃなく大阪から西では「ふく」と発音していたそうですから、「福」にかけたのではなく、本来は‘関西方言’訛りだったのかもしれません。

ただし、現在では若い世代を中心に「ふく」という言い方は無くなりつつあり「フグ」というのが一般的になりつつあるようです。

ついでの疑問・・・「フグは河豚と書くのはどうしてか?」

「河豚」は中国語で「ピンイン」と読むようですが、中国ではフグは川でも獲れるらしく、この魚は獲ったときに‘豚のような鳴き声を出す’ので「河の豚」で「河豚」となったようです。

豚のように膨らむからじゃなかったんですね。

日本ではこの魚は「ふくら」と言っていたらしく、それは「ふくらんだ」という意味や、膨らんだ姿が「ふくら=ユウガオの実」に似ていたからという説があるようです。

フグ刺し、うまいのでしょうが、わたしは未だに食べたことがありません。

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コメント

いやいや、奥深いな~
石川県あたりでは、ふぐの卵巣を長期間ぬか漬けにして、食べているし、お土産にもなっているとか?
世界は不思議ですね。

投稿: もうぞう | 2018年11月 8日 07:13

もうぞうさんへ

日本人を始めとして、東洋人はなんでも食べるという民族が多い気がします

投稿: 玉井人ひろた | 2018年11月 8日 10:18

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