消え行く祖父との風景
私が幼いころ福島市の叔父夫婦の家に行くときの交通手段は、本宮駅から国鉄に乗って福島駅で降り、そしてそこから約2kmの道のりを歩くことでした。
祖父と行くときに乗ったのはまだ蒸気機関車で、駅で見たその黒い巨大な乗り物は幼い私にはただの高い壁にしか感じられなかった記憶がいまだに残っています。
福島駅前は今のように西口は無く、駅前といったら現在の東口の風景になります。
子供にといって広すぎる福島駅構内を歩き駅前に出て最初の風景がまたまた巨大なビルです。
ただただ、圧倒されるとともに好奇心旺盛な私には見るものすべてが面白く、2kmの道のりは遠く感じませんでした。
その時に目にしたのが福島市のホテル辰巳屋や中合だったことはもう少し大きくなってからでした。
ホテル辰巳屋は1899(明治32)年に料理店「辰巳屋」として現在地で創業。1914(大正3)年に旅館業「辰巳屋旅館」と食堂「タツミ食堂」を開業した。
その後、旅館や食堂を運営する株式会社辰巳屋が1969(昭和44)年に設立。1973年(昭和48)、駅前市街地再開発事業として辰巳屋ビルが完成し、ホテル辰巳屋が開業し、同じ建物に中合福島店も開店したという創業120年の老舗です。
ところが、そのホテル辰巳屋が昨日の8月30日(金)をもって120年の営業を終了してしまいました。
また一つ、祖父との思い出の場所が無くなった感じです
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